◇男性も感染するHPVってなんだろう?
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、皮膚病や性感染症の原因として知られるウイルスです。主に性交渉により感染し、性交渉の経験がある男性の約90%、女性の約80%が一生に一度は感染するといわれています。そのため、夫婦間やパートナー間でうつしあって感染を繰り返す「ピンポン感染」も見られます。
◇HPVに感染するとどうなるの?
子宮頸がんのほとんどはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因と言われています。多くの人はウイルスが自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあり、HPVは子宮頸がんだけでなく、男性に多い咽頭がん、口腔がん、陰茎がん、肛門がんや、女性の外陰がん、腟がんにも関係があることがわかっています。
◇子宮頸がんとは?
子宮頸部にできるがんのことを「子宮頸がん」といいます。日本では毎年約1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約2,900人が子宮頸がんで亡くなっています。子宮頸がんは若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんです。20代から罹患する方が増え始め、30代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)方も、1年間に約1,000人います。
◇子宮頸がんになってしまったら?
婦人科検診で子宮頸がんの疑いが出たとしても、すぐに治療をしなくてはいけないわけではありません。進行の中でもステージがあり、それに合わせて子宮頚部を部分的に切り取る手術、放射線療法、抗がん剤(化学療法)のいずれか、もしくは複数を組み合わせて治療を行います。実際、日本では年間約11,000人の女性が手術を受けています。しかし、手術の後に切り取った子宮頚部が元に戻ることはなく、流産や早産などを含む後遺症が残る場合があるため、ワクチンでの予防が重要です。
性交渉を行う年齢に達する前やHPVに感染する前にワクチンを打つことでこの病気はほとんど防ぐことができます。
◇でもちょっと待って!子宮頸がんは予防できます!
HPV感染による子宮頸がんを防ぐためには、ワクチンの接種と20歳からの健診の2つが大切です。なお、ワクチンには一度感染してしまったウイルスを死滅させる効果はありません。あくまで感染前に接種する必要があるのです。
子宮頸がん予防はこの2つがとても大切!!
■子宮頸がんは予防接種で予防することができます
2価ワクチン(サーバリックス)および4価ワクチン(ガーダシル)は子宮頸がん全体の50%~70%、9価ワクチン(シルガード9)は、80%~90%と高い予防効果が報告されており、さらにHPVに感染していない初交前にすることが重要であるといわれています。
定期接種の対象:
小学6年生(12歳)から高校1年生(16歳)の女子が対象です。大蔵村では、12歳を迎える年度の当初に、対象者の保護者あてに個別に接種勧奨の通知をお送りしています。
◎9月末までに接種できなかった方もまだ間に合う!キャッチアップ接種
積極的な勧奨が控えられていた平成9年度~平成19年度生まれの方も無料で接種が可能です。
接種回数:いずれも合計3回(過去に接種した回数も含めて3回接種します)
接種期限:令和7年3月31日(月)
接種費用:無料(ただし上記期限を過ぎると全額自己負担となり、1回あたり約3万円かかります)
◇一般的な接種スケジュール
◇接種についてのQandA
Q.過去に、1回のみ接種した場合や、2回のみ接種した場合にも対象になりますか?
A.HPVワクチンは合計3回接種する必要があります。1回接種した方は残りの2回、2回接種した方は残りの1回を公費で受けることができます。
Q.HPVワクチンの副反応が心配です。
A.主な副反応として、発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神があげられます。HPVワクチンとその他のワクチンにおいて、重篤な症状の発生頻度に差はないとの報告がされています。詳しくは下記厚労省ホームページをご覧ください。
「HPVワクチンに関するQandA」
【URL】https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html
問合せ:健康福祉課健康衛生係
【電話】75-2104(内線271・272)
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