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令和6年度 大蔵村施政方針(1)

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山形県大蔵村

■持続可能な村をつくり上げるために
今、日本は東京一極集中と少子高齢化が急速に進み、人口減少問題はますます深刻化しています。本村においても、中山間地域の人口減少は著しく農地の維持どころか集落の維持すら危ぶまれています。こうした状況の中、一貫して「小さな村だからこそできる住民福祉の向上」「心を寄せあった協働の村づくり」「親切、丁寧、わかりやすい行政運営」「対話の中から明るく・優しく・元気な村づくり」の4点を村政運営の基本姿勢として取り組んできました。急激な円安や国際情勢の不安定から生産資材の高騰、さらに生活関連物資の相次ぐ値上げなどにより住民生活や地域経済への影響、その対応も急務であると考えています。

◇安心できる生活環境の整備
本村は豪雪地帯であり地形的・地質的に災害の発生が多く、豪雨による河川の増水、氾濫、土砂災害など過去に多くの人的被害をもたらした災害を経験してきました。大蔵村国土強靭化地域計画は、今後想定される大規模自然災害から村民の生命と財産を守り、持続的な成長を実現するため、「強靭な村土づくり」を推進することを目的とし、それらへの備えと対応を具体的な事業や取り組みとしてまとめています。
現在整備が進められている国道458号本合海バイパス白須賀地区の整備は今年7月の開通を目指しています。さらに合海大坪線完成により、昨年首都圏とつながった東北中央自動車道などの高速交通網へのアクセスが容易となりました。高規格道路の開通により、人の交流や物流が活発化し、生活環境の向上につながる道路網の整備を促進します。

◇特色を活かした魅力ある産業づくり
農業においては、水稲を基幹作物とした高収益作物との複合経営を推進していきます。ほ場整備を主とする県営基盤整備事業は、烏川、赤松、通り地区に続き、熊高地区の約27ヘクタールが概ね完成しました。本年度は白須賀地区の面工事が本格化するほか、清水堰、作の巻地区においても一部着手の予定となっています。村の水田面積のほぼ半分に当たる平場地域の大部分で基盤整備事業が実施されることとなり、能作物の効率化や担い手への農地集積が期待されますが、これにあわせ園芸作物への転換を図り、村農業の維持発展を目指します。
今春4月には、新庄市に農林業分野4年制公立専門職大学として「東北農林専門職大学」が開学します。村の未来農業を担う子どもたちが一人でも多く入学してもらえるよう、県や大学と積極的に連携します。新しい学びのステージに最上地域農業の未来、新時代が託されており、本村の農業を救う大きな起爆剤となることを期待します。
観光に関しては過去には豪雪を逆手に取った取り組みが観光業界から高い評価を得ており、冬季間の誘客策は大きな話題となりました。肘折温泉を中心とした観光関係者と協力しながら、観光資源の磨き上げと着地型旅行商品の開発などに精力的に取り組み、地域経済の復興を図ります。

◇協働による村づくり
持続可能な村づくりには、ここで暮らす村民一人一人が積極的に地域づくりに関わっていただくことが最も重要です。村民主導の自主的な活動が継続されるよう地域団体の育成や連携に努めます。
人々の生活の中で培われてきた地域の文化や景観を守り、後世に伝えていくため、各地区で実施されている祭り等の伝統芸能や伝統行事の保存継承、また地域資源として交流人口、関係人口の拡大策を検討します。

◇地域総がかりの人づくりと地域づくり
子どもたちへ教育環境の整備を図り、学校における教育の充実と併せ、村営学習塾「おおくら未来塾」を開設しています。子どもたちの努力により、その成果も確実に現れています。また、学ぶ力を育む教育に力を入れ、子どもたちには、郷土に愛着心を持ち一人でも多く村に戻り、とどまり、村発展の担い手となってもらえるよう、地域行事への積極的な参加を促します。こうした取り組みを進めるため、今年度より保育事業、幼児教育を教育委員会に移管し一貫教育を目指します。
高齢者が地域住民と気軽に集い、ふれあい、生きがいをつくることで、介護予防、閉じこもりを防止するため、各地域でふれあいサロン事業を展開してきました。今後は更に充実した生涯学習プログラムにより、運動習慣づくりなど健康に関する意識改革、啓蒙活動を通じて生きがいや役割づくりの支援を行い、また高齢者だけでなく、障害を持つ方々の自立や社会参加を支援する取り組みも推進します。
医療の面では、村唯一の医療機関である診療所を中心に各機関が連携し、医療・保健・福祉が一体となった体制づくりを進めます。新しい県立新庄病院などの中核病院と連携して、高度医療を迅速容易に受診できる体制づくりと、交通弱者に対応した通院のための交通利便性の向上にも意を配します。

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