~新庄開府400年(2025年)に向け、新庄の貴重な文化財(たから)を巡るシリーズ~
第24回 亀綾織三十三観音掛仏(かけぼとけ)/市指定有形文化財(工芸品)
江戸時代の後期、新庄藩は製糸や製陶、織物などの産業の開発に力を入れていました。特に織物については、上州(現在の群馬県)から織師を招き、技術の向上を図りました。
当時制作された織物の中でも、鉄砲町の長泉寺が所蔵している「亀綾織三十三観音掛仏」は、縦140cm、横64cmの範囲に三十三観音を織りだした珍しい物です。この掛仏の由来が書かれた文書によると、1830(文政13)年4月21日から織り始め、およそ3日間で完成させたと記されています。また、「織師上州館林初五良桐生吉十郎佐野将治三人」という名前も記されています。
この掛仏は織り上げたものではなく、絹織物に刺繍(ししゅう)したものではないかという説もあり、当時の絹織物の技術の高さや新庄亀綾織のルーツを知る上で貴重な文化財です。
問合せ:歴史センター
【電話】22-2188
<この記事についてアンケートにご協力ください。>