~新庄開府400年(2025年)に向け、新庄の貴重な文化財(たから)を巡るシリーズ~
第27回 木造 観音菩薩・勢至(せいし)菩薩立像(りゅうぞう)/市指定有形文化財(彫刻)
この仏像は、接引寺(しょういんじ)本尊の阿弥陀如来座像の※脇侍(きょうじ)として安置されたものです。高さが114センチメートルで、本尊に向かって右側に観音菩薩立像、左側に勢至菩薩立像が安置されています。
像の裏には「元禄八年六月中旬七世良光代施主澁谷甚兵衛(しぶやじんべえ)」と朱漆(しゅうるし)で記されています。施主である澁谷甚兵衛は、新庄藩主戸沢家の御用商人でありながら「風流」の名で活動する俳人でした。1689(元禄2)年に松尾芭蕉が新庄を訪れた際には、兄の盛信(もりのぶ)や地元の俳人たちとともに交流しました。
接引寺は澁谷家の菩提(ぼだい)寺であり、澁谷家より寄進された阿弥陀三尊像(市指定有形文化財)は、この観音菩薩・勢至菩薩立像を例に作ったと言われています。
※脇侍:本尊の脇に安置される仏像のことで、本尊を補佐する役割を持つとされる
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