朝日町のりんごは「無袋ふじ」をはじめさまざまな品種があり、多くの方から好評をいただいています。
そしてこれから、町内でもっとも多くりんごが収穫される季節を迎えます。
今月号では、町の特産品であるりんごを特集。
定番の話題や、意外と知られていない話題などを紹介します。
■朝日町のりんごがおいしい理由
朝日町のりんごは、130年以上続く栽培の歴史とともに培われた、生産者の高度な技術により作られています。また、地理的には西にそびえる朝日連峰と東に連なる白鷹丘陵、そして町中心部を流れる最上川により盆地が形成され、りんごをおいしく仕上げる朝夕の大きな寒暖差が生まれやすい土地柄となっています。
長年にわたる生産者の努力とさまざまな自然の恵みが相まって、歯触りが良く、酸味や甘さが詰まったりんごが生み出されています。
■町発祥のりんご「無袋ふじ」
袋をかけずに栽培するふじ「無袋ふじ」は昭和46年に誕生しました。病害虫防除や着色管理のため、袋をかけてりんごを栽培することが当たり前だった頃、未知の技術であった無袋栽培を全国に先駆けて確立させたのは「無袋ふじ研究会」の皆さん。
長年の試行錯誤の末に作りだされた無袋ふじは、そのおいしさにより市場評価も極めて高く、町のりんご産業に大きな影響を与えました。
■農家さんインタビュー
「清野りんご園」の清野千春さんに作業についてお聞きしました。
▼やりがいを感じるときは?
りんごがきれいに色付いたときです。1年かけて一生懸命作った成果が目に見えるのでとても楽しいです。
そして、その実ったりんごを食べたお客さんから「おいしかった」と喜んでもらえることが励みになっています。
▼一番大変な作業は?
「剪定」ですね。翌年に作るりんごの品質に大きく関わる作業で、思い通りにいかないことも多くあります。大変ではありますが、そうやって探求心をくすぐられて楽しみながら作業に挑んでいます。
▼作業を覚えるためのコツは?
実際に聞いたり見たりすることが大事です。本などで得られる知識もたくさんありますが、先輩の農家さんや仲間に聞くことが、作業を覚えるための近道だと思います。
○〔寄り道〕おすすめの食べ方は?
皮ごと食べるのが一番ですが、りんごを氷砂糖と酢で漬けた「りんご酢」もおすすめです。私はよく、お湯で割って飲んでいます。品種によって甘さも変わるので、ぜひいろんなりんごで作ってみてほしいです。
清野千春さん(沼向)
■りんごができるまで
年間を通して行われる作業を紹介します
▼りんごの春夏秋冬
※天候や品種によって時期が変わる場合があります。
○春・夏…受粉・摘花・摘果
中心花と呼ばれる真ん中の花を残して周りの花を摘み取る「摘花」や、実がなり始めると同じように真ん中の実を残して摘み取る「摘果」は、大きくおいしいりんごを作るために欠かせない作業です。
また、摘果作業はより高品質な実を選別するため、仕上げとして再度行われます。
○秋…葉摘み・玉まわし・収穫
収穫までの間、実全体に陽が当たるように周りの葉を摘む「葉摘み」や、実を回す「玉まわし」を行います。
主な品種はこの時期に色付くものがほとんど。一個ずつ丁寧に収穫されます。
○冬…雪害対策・剪定
積雪により枝が折れないようにするための対策は欠かせません。
また、枝を切り落とす「剪定」は、りんごの品質や作業効率に大きな影響を与える重要な作業です。
■品種で変わる「旬」
りんごはほとんどが秋に販売されていますが、品種によっては夏から店頭に並ぶものや冬まで販売されているものもあります。
ここでは、道の駅あさひまち「りんごの森」で取り扱っている品種の一部をご紹介します。
▼販売時期
○1月~3月
はるか・ハレふじ・無袋ふじ・シナノゴールド・スリムレッド
○8月
凛夏・シナノレッド・恋空・つがる・ファーストレディ・さんさ・ジェネバ・きおう・あかね・スイートメロディ
○9月
シナノレッド・つがる・ファーストレディ・さんさ・ジェネバ・きおう・あかね・シナノドルチェ・涼香・昂林・弘前ふじ・出羽ふじ・トキ・紅将軍・ひめかみ・千秋・秋陽・シナノピッコロ
○10月
シナノドルチェ・弘前ふじ・出羽ふじ・昂林・トキ・紅将軍・ひめかみ・千秋・秋陽・シナノピッコロ・秋映・紅玉・シナノスイート・シナノゴールド・スターキング・ジョナゴールド・王林・北斗・もりのかがやき・こうとく
○11月
秋陽・秋映・紅玉・シナノゴールド・王林・北斗・もりのかがやき・こうとく・パインアップル・ぐんま名月・極ふじ・あいかの香り・スターキング・スリムレッド・はるか・やたか・あまみ月・彩ふじ・無袋ふじ・ハレふじ
○12月
紅玉・シナノゴールド・王林・ぐんま名月・あいかの香り・スリムレッド・はるか・無袋ふじ・ハレふじ・青林
4月頃には、雪の中で貯蔵した「雪りんご」が販売されます
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