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特集 考えませんか、家の未来(1)

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山形県朝日町

家族の大切な財産であり、長い時間を過ごした「家」。しかし、住み替えや福祉施設への入居などの理由で「空き家」となることもあります。空き家は放置すると近隣住民の生活に悪影響を及ぼしてしまいます。貴重な財産を守るための手段を考えてみませんか。

■財産には適切な管理を
空き家といっても、定期的に管理されているものや所有者が遠方に居住し管理がされていないものなど、その状態はさまざまです。町では放置される空き家の発生予防や、適切な管理・利活用の促進などに向け平成30年に「朝日町空家等対策計画」を策定。また「朝日町空家対策協議会」を結成し、管理不全空家の指導や処分などを協議して問題解消につなげています。

■増加し続ける空き家
総務省の調査によると、放置され続ける可能性が高い空き家は平成10年には182万戸でしたが、平成30年には347万戸と約1・9倍に増加。今後も急速に増加することが予想されています。町の空き家戸数も増加(下図参照)しており、令和3年度で271戸が空き家に該当。うち12戸が特定空家(放置され倒壊などの危険性がある空き家)と判断されています。

■空き家問題は身近なこと
空き家問題は、誰にでも起こりうる問題です。もし、空き家となるかもしれない住宅をお持ちの方は、これを機に将来どうするのかをご家族・ご親族と考えてはいかがでしょうか。

新しい住処を見つけ引っ越すことになった桃色ウサヒ。
・長い間暮らしたこの家を離れることになるな〜。空き家になっちゃうけどどうしよう…。
・思い出が詰まってるんだ。手放すのは惜しいから、そのままとっておこう。家具もあるし、親戚が集まるかもしれないし…
⇒ウサヒは家を残すことにした

—それから3年後。ウサヒ再び昔の家へ。
・ええ!久々に来てみたら雨漏りしてるし、窓も割れてる!壁もボロボロだ…
・固定資産税の額も上がっちゃったし… 結局、3年間で一度も使わなかったなぁ…

ウサヒが選んだ道は…

しょうがない、解体するか…
・維持するのにもお金がかかるし、解体しよう。でも、肝心な解体費用はどうしよう…
⇒解体の詳細は本紙7頁へ

空き家等バンクに登録してみよう…
・傷みが激しいので登録できません。登録には修繕が必要ですよ。
・え~!登録すれば「改修支援事業補助金」がもらえるのに…確かに、今のままだと住めないか…
⇒修繕の詳細は本紙7頁、空き家等バンクは本紙8頁へ

今回は、ウサヒと同じことが起こらないように空き家の管理・利活用などについて特集します。

■空き家の放置、危険です
≪想定される主なデメリット≫

○倒壊
地震や雪害などの自然災害により、倒壊してしまう危険性があります。外装材や屋根材などが落下すると周辺の建物を傷つけたり、通行の妨げとなります。

○害虫の発生・悪臭
害虫やねずみが大量に発生すると不衛生な環境となります。
また、腐敗した動物の糞尿やごみが放置されると悪臭の発生につながります。

○不法侵入
不法侵入者に出入りされると、地域の治安悪化につながります。全国では過去に不法侵入者による放火で周辺の住宅がほぼ全焼する事例も発生しました。

■放っておかれた家は傷みます
「生まれ育った家に愛着がある」「家財・荷物を片付けられない」「将来親族が使うかも」などといった理由で長期間放置される傾向にある空き家。たった1年間住まなくなっただけでも、空気がこもったり動物が住み着いたりすることで、劣化が早く進んでしまいます。

■放置によるデメリット
劣化が進むと、上記のほかに、生い茂った庭木が電線にかかったり、周囲の景観が悪化したりと自分だけの問題にとどまらず、近隣住民の生活環境に深刻な影響をもたらしてしまいます。
そして、周囲に被害が及ぶと所有者には損害賠償などの責任も発生します。さらに、電気代や水道料、固定資産税や保険料などの維持管理経費が必要となるほか、傷みが激しい場合は家屋の価値が下がり、売買や賃貸、そして空き家等バンクへの登録も難しくなります(本紙8頁に詳細)。

■処分され費用を請求される場合も
周辺にも危険が及ぶような状態で放置が続き、行政からの指導や勧告に応じない場合「行政代執行」が実施されることがあります。これは今後状態が悪化することを防ぐために、行政が解体手続きを進めるもので、作業にかかった費用は全て所有者に請求されます。

■家を「負」動産にしないために
空き家問題は決して他人事ではありません。たとえ今は空き家を所有していなくても、思わぬきっかけで実家や持ち家が空き家になってしまう場合もあります。なるべく手間と費用をかけないためにも早めの相談・手続きが大切です。

■管理不全空家も、土地の固定資産税が最大6倍になる可能性があります
通常、居住用の敷地として利用されている土地(住宅用地)は税負担が軽減されます。しかし、管理が不十分な空き家の敷地にはその特例が適用されない場合があります。
昨年12月、適用外となる家屋が見直され、倒壊などの恐れがある「特定空家」に加え、窓や壁などが破損しており放置が続くと特定空家となる可能性がある「管理不全空家」も税負担軽減の適用外となりました。
適用外となった場合、200平方メートル以下の部分は土地の固定資産税が最大6倍、200平方メートルを超える部分は3倍となる可能性があります。

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