町立金山診療所 看護主査 黒坂 まゆみ
■ヒートショックに注意!
ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動など、温度の急な変化が体に与えるショックのことです。ヒートショックを防ぐには、脱衣所や浴室、トイレなど極端な温度差のある場所を、温めることが効果的です。
■「具体的な対策方法として」
(1)お風呂の温度は38°C~41°Cで、お湯につかる時間は10分までとしましょう。
(2)入浴前と後には、コップ1杯のぬるま湯を飲みましょう。(入浴すると汗をかき体内の水分が減って、血液がドロドロになりやすくなります。すると血栓ができやすく血圧が上がることで脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなります)
(3)入浴の際は、いきなり浴槽につからず、手や足など、心臓より遠い方から掛け湯をし、お湯に慣らしてから入りましょう。
(4)急に浴槽から立ち上がらず、手すりや浴槽の縁を使ってゆっくり立ち上がりましょう。
(5)食後すぐの入浴や、飲酒後、精神安定剤、睡眠薬の服用後の入浴は避けましょう。(食後は食後低血圧によって意識を失う恐れがあります。食後1時間以上あけて、入浴しましょう。精神安定剤や睡眠薬を服用すると入浴中、眠ってしまい溺死のおそれがあります)
(6)入浴の前に、同居者に一声かけましょう。(同居者は高齢者の入浴時間を覚えておき、「時間が長い」「音が全くしない」「突然大きな音がした」など異常を感じたら声を掛けましょう)
(7)寝室はトイレの近くにしましょう。(寒い廊下をトイレに歩く事で心臓に負担がかかります)
(8)トイレでいきみすぎないようにしましょう。(排便の際、いきみすぎると心臓への負担がかかります。普段から便秘対策も重要です)
(9)早朝、起きてすぐの雪かきは避けましょう。(少し体を動かし温め、暖かい服装で行いましょう。)高齢者の多くは高血圧、糖尿病、脂質異常、動脈硬化などの疾患をもち、血圧の上昇による心筋梗塞や致命的な不整脈、脳梗塞や脳出血などを引きおこしやすくなります。反対に血圧が低下することで、めまいやふらつきがおき、意識を失って転倒や溺死につながる事もあります。気温差に影響される血圧の変化は年齢に関係なく起こります。「自分は元気だから大丈夫」ではなく、「自分にも起きるかもしれない」と思って生活しましょう。
※「溺死」の「溺」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
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