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◆虹色の甲州花火、見に行こう!
夏だ!祭りだ!花火だ!
コロナ禍も収束し、今年は心から花火を楽しめそうです。
山梨には、伝統的な技法を受け継ぐ「甲州花火」があり、各地で大きな花火大会が開かれます。
夏の夜空を彩る「甲州花火」は2023年3月に新たな県の郷土伝統工芸品として認定されました。甲州花火の技法を脈々と受け継いでいる齊木煙火本店の代表取締役社長・齊木克司さんに話を伺いました。
甲州花火の歴史は古く、二つのルーツがあると考えられています。
一つ目は、武田信玄の時代に始まった「のろし」や「砲術」などの伝承。二つ目は、江戸時代末期までに成立したとされる「町衆花火」です。当時、さまざまな疫病がはやっていたそうです。慰霊と鎮魂の思いを込め、華やかな花火が打ち上げられるようになったといわれています。
齊木煙火本店は1901年(明治34年)に創業しました。私は4代目です。
技法は、事細かく教えてもらえるわけではなく、実際につくっているところを見て覚えます。現在では「やまなし伝統花火組合」に加盟する当社と株式会社マルゴー、株式会社山内煙火店の3社が受け継がれてきた技法を次世代へつなごうとしています。
製作にかかる期間は、直径6~9センチくらいの小さい玉で1カ月かかります。通称尺玉と言われる10号玉は30センチもの大きさになりますので、2カ月半~3カ月かかります。当社では、大小合わせて2万発ほど製造しています。
私の父、3代目までの時代は花火がドンと光って赤から緑、青に変わる3色変化が主流でした。今ではグラデーション状に色が移り変わる花火もつくるようになって、星づくりの手間は3~5倍に増えています。
当社は七色に変化する虹色の花火を得意としているので「わぁ~きれい!色が変化していく!」という感動をぜひ体感してほしいですね。
神明の花火は約2万発の花火が上がります。見どころは、年ごとのテーマを題材とした花火を打ち上げる「テーマファイヤー」と最後の「グランドフィナーレ」です。音楽に合わせて数々のスターマインが打ち上がるので、ぜひ見に来てください。
◇県内で開かれる主な花火大会
7/27 笛吹川県下納涼花火大会
8/1 山中湖報湖祭
8/5 河口湖湖上祭
8/7 神明の花火
8/15 南部の火祭り
8/16 武田陣没将士供養会and武田の里にらさき花火大会
8/24 石和温泉花火大会
◆言葉の壁を超えてギュッ!山梨の高校生は、海を渡った
県とベトナムとの交流が深化を続けています。
特産品の輸出だけではなく、未来を担う人材の交流も進む現状をやまなし in depthからダイジェスト版でお届けします。
◇姉妹友好県省を締結
交流のきっかけは、長崎幸太郎知事が2023年5月、ベトナム政府の農相に直談判に及んだことだ。その狙いは、山梨県産ぶどうの輸出解禁だった。日本産の果実は、一部を除いてベトナムへの輸出が禁止制限されている。農相から前向きな返事を引き出せただけではなく、大歓迎された一行にはベトナム側からの「ご提案」が次から次に舞い込んだ。
農業分野に限らず、エネルギーや人材交流…。予定になかった要人との面談が急に持ち込まれた。とりわけ北中部にあるクアンビン省への視察では話が弾み、さまざまなチャネルで交流を進めていくことが双方で確認された。
早くもその年の9月には、クアンビン省トップのヴ・ダイ・タン書記らが山梨県を訪問し、姉妹友好県省が締結された。
タン書記ら訪問団は、甲州市のぶどう農園で旬のシャインマスカットを堪能。さらに、クアンビン省では、カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの開発に力を入れていることから、米倉山にある「次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ」を視察した。
民間レベルでも、「山梨県ベトナム親善交流協会」が2024年1月に設立され、県内の「ベトナム熱」は高まるばかりだ。
◇高校生たちも「つながる」
人材交流も姉妹友好県省としての大きなテーマ。その第一弾として、今年2月に山梨県の高校生たち20人がクアンビン省を訪問し、ヴォーグエンザップ高校の生徒たちと交流した。
「交流の意義を理解し、グローバルな感覚を養ってどう将来に生かすかという目的意識の明確な生徒に参加してもらうことにしました。外国を実体験することによって、山梨県の良さを改めて感じてもらうことも交流の狙いです」
県教育委員会の担当者はこう語る。
英語で互いを紹介し合い、スマートフォンでSNSのIDを交換してあっという間につながった高校生たち。帰国後も、「雪だるまを作った」と南国の友達を驚かせているのだという。
交流は成果を上げたのだろうか。帰国後に生徒が提出した報告書の一文が、その答えになるのかもしれない。
「英語という共通語は、私たち若者の距離を縮める魔法の道具だった」
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