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次へとつなぐ若き先駆者たち[ネクスト]

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山梨県

■「スクーミーボード」を使って誰もが欲しいモノを自分で生み出す「eDIY」という世界観を広げたい!
株式会社スクーミー代表取締役CEO
塩島 諒輔

◇もっと簡単にテクノロジーを使ってやりたいコト・つくりたいモノをカタチに
プログラミングに精通していなくても、欲しいモノを自分でつくれる時代を創りたい。そんな思いから生まれた手のひらサイズのコンピューター「スクーミーボード」。塾講師で活躍した塩島さんが、IT企業を立ち上げスクーミーボードを開発した背景には、教育者として生徒たちと向き合う中での「気付き」がありました。
「人に何かを教えることが好きで塾講師になりましたが、単に暗記させるのではなく原理なども教えていく指導法を実践するため、自ら塾を立ち上げることを決めました」
塾を運営していく中で、学校の勉強が社会の中で生かされていないと感じた塩島さん。
「高校生のうちから社会との関わりを持っておく必要があると考えました。そこで、イベントを生徒自らが企画し開催するなど、社会とつながる取り組みを授業の一環として実施しました。開催までの道のりは簡単ではありませんが、一つ一つの課題を見つけ解決するプロセスを体感してほしかったのです」
こうした課題解決型の授業を行う中で、工学系の大学を目指す生徒のためにプログラミングの授業を実施することにしたといいます。
「私はプログラミングの経験がありませんでした。友達のエンジニアに協力してもらい、まずは『草刈りロボットを作ってみよう!』といった実践的なプログラムを実施しました。
すると、楽しんで学ぶ高校生の姿を見た彼らの兄弟、特に小学生が興味を持ってくれたのです。もちろん彼らはプログラミングを知りません。ですが、彼らの好奇心に満ち溢れた姿を見て、難しい勉強をしなくても、もっと簡単に誰もがテクノロジーを使えるようにしたいと考えました。そこで開発したのがスクーミーボードです」

◇生活を便利にする「eDIY」を世界へ
「スクーミーボードは単4電池1本で動く小さなコンピューターです。USBでパソコンと接続し、難しいコードを使わず指令を入力することができます。また、センサーやライトなどの機能を付けることもできます。離れた畑の温度をスマートフォンで確認したり、手を消毒せずに入室したら警告音が鳴ったりするシステムを開発できるなど、活用法は無限大です。デジタル技術の専門知識がなくても、誰でも身近な困り事を解決するツールを開発できる点が特徴です。私たちはこれを「e(electrical)DIY(日曜大工)」と名付けました。
最近は学校現場でプログラミングの授業をしています。そこではボードの使い方だけでなく、暮らしの中で身近な課題を見つけ出し解決策を考えるプロセスや、社会と関わりを持つ大切さも教えています」
こうした活動を通じて「eDIY」を世界へ広げ、山梨の企業として地元にも貢献していきたいと語る塩島さん。最後に若者に向けて、メッセージを送ってくれました。
「『何かを自分で生み出す』ということに貪欲であってください。そこに価値があり、楽しさもあることを感じてほしいです。皆さんは今、何を生み出そうとしていますか?」

〔スクーミーボードの活用事例〕
・高齢者の転倒を音で知らせる装置
・本棚が整理されていないときに通知する装置
・消毒液の自動噴霧装置
・畑の温度を測定する装置
・間伐の要否を判断するため林の中の明るさを検知する装置

◎塩島諒輔さん
市川三郷町出身。
株式会社スクーミー代表取締役CEO。学習塾の経営を経て、2020年に株式会社スクーミーを設立し、手のひらサイズのコンピューター「スクーミーボード」を開発。

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