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みなさんの健康

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山梨県中央市

◆女性特有の悩み、些細なことでも産婦人科で相談を!
山梨大学医学部附属病院 産婦人科 平井聡美

みなさんは女性に産まれて、今まで「何か」を諦めてきませんでしたか?
「旅行なのに生理がぶつかって温泉に入れなかった」
「大事な試合中、経血漏れが気になって集中できなかった」
私自身も、試験に集中できなくても我慢するものだと思って過ごしてきました。私にとっての「何か」は、旅行や受験など10代から20代の自分が連想されます。みなさんにとって「何か」は何でしょうか。
女性はエストロゲンという女性ホルモンの波にずっと揺られながら過ごしています。一生の中でもエストロゲンの上昇により初経が起き、低下すると閉経となり、月経が起きている性成熟期は毎月という単位でエストロゲンは変動しています。もちろんそれは正常な変動なのですが、月経があることにより月経前に気持ちが落ち着かない、いわゆるPMSや、腹痛などの症状により日常生活に支障がでる月経困難症などの症状に悩まされているのです。多産であった昔の女性は一生に経験する月経は約50回といわれていますが、現在の女性は初経も早くお産をしない人も多いので、450から500回ほど月経があるとされています。現代を生きる女性も、というわけではなくて、子宮内膜への作用や骨量の増加などに関与していて、とても大切なホルモンです。医療の力でコントロールすることで、快適に過ごせるような手助けは可能です。ありがたいことに、女性アスリートのみなさんに外来にお越しいただくことが増えたのですが、アスリートにももちろん月経はあります。月経の悩みのせいでベストを出せない、どうにかしたい、と思っていても指導者に相談できずに困っている人もたくさんいらっしゃると思います。
また、アスリートが陥りやすい症状として、無月経もあります。運動量が多く消費エネルギーに摂取エネルギーが追いついていないといった場合に、脳が指令をだして月経をとめてしまうのです。前述したエストロゲンが低下してしまうため、骨粗鬆症などに繋がることがあります。さらに、筋力の低下、免疫力の低下などにも関与するといわれており、頑張っているはずなのにパフォーマンスが下がるといった悲しい結果になってしまうこともあります。
月経があることによる諸症状、月経がないことによる諸症状、どちらも女性にとって生活の質を下げてしまうとても重要な問題です。アスリートの皆さんのみならず、悩んでいる多くの女性の力になれたら幸いです。

企画:一般財団法人 里仁会

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