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きれいな川を次世代に(1)

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山梨県中央市

市では中央市環境基本計画(令和6年3月改定)において「快適で健やかに暮らせる持続可能な生活文化都市」という環境像を掲げています。この環境像を実現するための施策の一つとして、水質汚濁の防止に取り組んでおり、「水質汚濁物質の排出抑制対策」と「生活排水対策」を推進しています。
生活排水対策の推進として、市内を流れる小河川の水質調査を毎年1回行い、経年変化を観測しています。前年度は、令和5年9月から令和6年2月にかけて調査を行いました。測定地点は、田富地区13地点、玉穂地区9地点、豊富地区4地点の計26地点です。

■水質調査からわかること
例年の結果と比較して、大きな変化はなく、概ね良好な数値となりました。現状では大きな問題となりそうな点は見受けられません。しかし、環境基準をすべて満たしている地点は全26地点中、1地点のみで、特に大腸菌数は多くの測定地点で環境基準より高い数値となりました。これは、不適切な生活排水の流入が大きな原因の一つであると考えられますが、自然界に普遍的に存在する種類の大腸菌も多いため、本来の目的と調査結果が必ずしも合致していない場合があります。
今回の検査結果と山梨県が行っている公共用水域調査による水質調査結果を比較しても、市内の河川の汚濁が特別に進んでいるわけではないといえます。
市内を流れる小河川は、いずれ釜無川や笛吹川といった富士川水系に流れ込みます。河川の水質保全を行うことが、そのまま富士川水系下流域の水質保全の一助にもなると考えられます。

◆水素イオン濃度(pH)
工場排水などの塩類に影響を受ける水の酸性・アルカリ性を示す指標。水稲の生育には中性(7.0)が適している。

特殊な工場排水などの影響で著しく変動することもあります。今回の調査では、すべての調査地点において環境基準内でした。全体的に中性に近く水稲には適した濃度になっています。

基準値:6.5~8.5

◆生物化学的酸素要求量(BOD)
水中の微生物によって有機性物質が酸化されるときの酸素の量。数値が高いほど水が汚れている。

(5)リバーサイド外周路水路下流、(18)新川下流、豊富1用水路の3か所で、環境基準を上回りました。(18)新川下流は例年数値が高めでバラつきがあります。その他の地点は、環境基準を下回り、良好な結果でした。

基準値:2mg/ℓ以下

◆浮遊物質量(SS)
水の濁りの原因となる粒径2mm以下の不溶解性物質の量。数値が高いほど水が汚れている。

例年同様に、すべての地点で環境基準を下回りました。透明度が保たれており、良好な環境が維持されてるといえます。

基準値:25mg/ℓ以下

◆溶存酸素量(DO)
水中に溶け込んでいる酸素量。河川での自浄作用には不可欠なもので、数値が小さいほど水質汚濁が進んでいる。

(6)臼井排水路上流で、わずかに環境基準を下回りました。その他の地点では、良好な環境が保たれています。(6)臼井排水路上流は、DO以外の値が良好なため、特段問題はない状況です。

基準値:7.5mg/ℓ以上

◆大腸菌数
人や家畜のし尿による汚染度の高さを示す指標。数値が高いほど水が汚れている。

(1)常永川上流、(5)リバーサイド外周路水路下流、(11)宇坪川下流、(12)古道川下流、(17)山王側上流、(18)新川下流、渋川下流、豊富2用水路の8地点で環境基準を上回りました。家庭雑排水や浄化槽の維持管理不備が要因に挙げられます。
※令和4年度から調査方法が変わり、それ以前の結果数値との比較ができないため、令和3年度分は表示していません。

基準値:300CFU/100mℓ以下

◆全窒素(T-N)
数値が高いと稲が倒れたり米質の変化を生じやすくなる。

基準に適合しており、例年と比べても大きな変化は確認できません。安定した状態であるといえます。

基準値:1mg/ℓ以下(湖沼)

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