文字サイズ
自治体の皆さまへ

地域とともに~市立病院・診療所からのお知らせ~

12/39

山梨県北杜市

■オトナのワクチン講座
北杜市立白州診療所
所長 武田盛夫

◇ワクチン狂想曲
繰り返しの新型コロナワクチン接種でいささか食傷気味かと思いますが、新型コロナウイルス感染症に限らず全ての病気は「かかる前に予防する」ことが世界の医療の主流になりつつあり、これからもこの流れが変わることはないようです。こう書かれるとなんだか大きな変化が起こっていそうに感じますが、皆さんが日常行っている生活習慣病の予防(ダイエット)や、毎年受ける検診・人間ドックなども病気に「かかる前に予防する」の一つなので「かかる前に予防する」はすでに私たちの日常にあり、なんとなく抵抗感のあるワクチンさえも、インフルエンザワクチン接種は冬を迎える前の特別ではないことになっていると思います。また、約10年前から始まった、65歳となる方に対する肺炎球菌ワクチン接種もオトナの定期接種として定着し、さらには帯状疱疹ワクチンも登場してテレビなどにぎわしているので、ご興味をお持ちの方も多いと思います。

◇65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種
約10年前から「65歳となる方」に対する肺炎球菌ワクチンが定期接種となっています。「65歳となる方」だけではなく「70歳や75歳などの65歳以上の成人」の間違いじゃないの?とご指摘を頂きそうですが、本来は肺炎球菌ワクチン定期接種が「65歳になる方」の「1回のみ」を対象としており、70歳や75歳などの70歳以上の方に送られてくる公費助成の書類は「65歳の時に接種できなかった方」に対する10年間だけのいわば救済処置なので、「70歳以上の方」の定期接種と公費助成は来年3月31日で終了になってしまいます!なので、まだ肺炎球菌ワクチン接種を受けていないが、いずれは受けようと考えている65歳以上の方で、今年度の紫色の予診票が手元にある方は、今年度中に受けてしまうことを考えてみてください。公費助成で4000円もお得です!また、すでに定期接種を済ませた方で追加接種を考えている方には、より長期間有効な新しいワクチンも登場して選択の幅が広がっています。ただし、公費助成はなく、全額自己負担になるので、費用も含めて医療機関などでよく相談してみてください。

◇帯状疱疹ワクチン接種
水ぼうそうのワクチンを50歳以上の方に接種すると、帯状疱疹にかかる可能性が減り、帯状疱疹後神経痛が残る可能性はそれ以上に減ることは以前から分かっていて、厚生労働省も水ぼうそうのワクチンを帯状疱疹の予防のために接種することを勧めていました。しかし、その認知度は高くなく、ワクチン接種を希望する方もほとんどありませんでしたが、最近になって新たに帯状疱疹専用のワクチンが登場してテレビのCMも流され、にわかにワクチンの問い合わせも多くなってきました。そもそも帯状疱疹とは、体に水ぼうそうのような水ぶくれが帯状に現れてピリピリと痛むもので、以前に感染した水ぼうそうのウイルスが体の中に残っていて、体力が落ちてきたときなどに帯状疱疹として再発するものです。この帯状疱疹の水ぶくれは必ず治りますが、水ぶくれが治まった後に痛みが長期に続くことがあり、これを帯状疱疹後神経痛と呼んでいます。適切な治療を受けることで帯状疱疹後神経痛に移行することを減らすことができますが、それでも痛みが残ってしまうことがあり、できることならば予防をしておきたいところです。先にもお話したとおり帯状疱疹ワクチンは2種類ありますが、いずれも全額自己負担での接種になります。また、2種類のワクチンの効果、費用とも異なるため、こちらも医療機関などでよく相談してみてください。

◇さらに新しいワクチンの登場
本年9月にはオトナ用のワクチンとして、RSウイルスワクチンも登場しました。RSウイルス感染症は小さいお子さんのクループ性気管支炎の原因として有名ですが、シニアの方が感染して入院することも少なくありません。インフルエンザ同様に予防したい疾患ですが、今回は紙幅が尽きてしまいました。またの機会にお目にかかりましょう。

問合せ:白州診療所
【電話】35-2009
【FAX】35-4373

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU