■「南アルプスユネスコエコパーク」は登録10周年を迎えました
◆2014年6月12日、南アルプスユネスコエコパークに登録されました
ユネスコエコパークとは、豊かな生態系を有し、地域の自然や天然資源を活用した持続可能な経済活動を進める、ユネスコが認めたモデル地域です。その中でも南アルプスユネスコエコパークは、3県10市町村が「高い山、深い谷が育む生物と文化の多様性」の理念のもと、南アルプスの自然環境と文化を共有し、その地域に住む人々が永続的に優れた自然環境を保全しながら、人も自然も豊かに暮らせるように調和した持続可能な地域発展を目指しています。
また、ユネスコエコパークは、自然を守る「核心地域」、自然を学び観光などに活用される「緩衝地域」、人々が暮らす「移行地域」の3つの地域で構成されています。
◆南アルプスユネスコエコパークの取り組み
自然と人間社会が共生するために、ライチョウの保護、登山道の整備、外来種の駆除、水質調査などさまざまな活動を行っています。全体の活動内容や調査結果は、登録地域の市町村や研究機関などで情報共有され、現状を把握しながら自然環境の保全を図っています。
南アルプス市では活動のひとつとして、小学生を対象とした学習支援活動を行っています。授業の中にユネスコエコパークを取り入れ、学校周辺の動植物について調査や観察を行い、エコパ伊奈ヶ湖では森の音やにおいを感じ、動物の痕跡を探すなど楽しく自然に触れて学べる機会を設けています。豊かな自然が身近にあることを知ることで、改めて住んでいる地域を大切にしたいと思ってもらえるよう取り組んでいます。また、櫛形山の保護・保全活動にも力を入れています。櫛形山には、アヤメや希少な動植物が生息していますが、近年はシカによる食害や盗掘などの被害を受けています。対策として柵の設置や定期的なパトロールを行い、個体数の減少を防いでいます。
◆ネイチャーポジティブ宣言
2023年8月29日、南アルプス市はユネスコエコパークの理念に基づき、ネイチャーポジティブ宣言をしました。ネイチャーポジティブとは、生物多様性の損失を止め、反転させ、回復軌道に乗せる自然再興を意味します。希少な動植物の保護や保全、環境破壊を防止するだけでなく、さらにその先で生物の多様性を回復させていくことが目標です。大きな目標を実現させるためにも、南アルプス市では市民や自治体、学校の活動だけではなく、グリーンパートナーシップ協定の締結や企業版ふるさと納税を活用し、登山道の整備、草刈り、植樹などを共に活動することで企業との連携も図っています。
◆南アルプス市は市内全域がユネスコエコパーク対象地域
南アルプス市は、北岳などの山岳部から、今みなさんが住んでいる地域まで、市内全域がユネスコエコパークの対象地域です。素晴らしい自然だからこそ人の手を加えずに守ることは大切です。また、人が住むことで自然に過大な負荷をかけないように守ることも忘れてはなりません。果樹栽培、水田などの農業や産業で経済活動を発展させながら、自然や景観を守ること、歴史文化を継承すること、またこれらの活動を知ることも立派なユネスコエコパークの活動です。改めてみなさんの住む地域について一緒に考えていきませんか。
※詳細は本紙P.5をご覧ください。
▽南アルプスユネスコエコパーク展開催中です!
ユネスコエコパーク登録から10年を迎え、これまでの取り組みなどを展示しています。お子様向けに、ぬりえで一緒にエコパークをつくれるエリアや、廊下には絵画コンテストの作品も展示しています。ぜひご来館ください。
会期:~7/15(月・祝)まで
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
場所:市立美術館市民ギャラリー
入場料:市民ギャラリーは無料です。
問合せ:観光推進課
【電話】282-7261
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