DVという言葉を聞いたことがない人は少ないと思います。DVとは「ドメスティック・バイオレンス」を略した言葉で、日本においては「配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されることが多いということも、知っていると思います。
しかし、DVとされるものにどんなものがあるかということになると、どうでしょうか。
DVの形態は大きく分けて(1)身体的暴力(2)精神的暴力(3)性的暴力(4)経済的暴力(5)社会的暴力があります。
具体的にあげると、
(1)暴力を振るう、物を投げつける、刃物などの凶器を身体に突きつけるなど
(2)大声で怒鳴る、脅す、ばかにする、誹謗中傷する、無視するなど
(3)性行為を強要する、中絶を強要する、避妊に協力しないなど
(4)生活費を渡さない、仕事を辞めさせるなど
(5)交友関係を制限する、電話や手紙をチェックする、仕事中に頻繁に電話するなど
内閣府の調査によると、DVの相談内容の約6割は、精神的暴力です。また、配偶者からの暴力の相談経験のある人の4割は、「相談するほどのことではない」「自分にも悪いところがある」「自分さえ我慢すればいい」などという理由から、どこにも相談していないということでした。
そして、DVの被害者には、共通してみられる心理状態があり、暴力を受けていても逃げられないケースが多くあります。
理由は、被害者の「逃げたら殺されるかもしれない」という強い恐怖から。暴力を振るわれ続けることにより、「自分は夫から離れることができない」「助けてくれる人は誰もいない」といった無気力状態から。「暴力を振るうのは私のことを愛しているからだ」「いつか変わってくれるのではないか」との思いから。夫の収入がなければ生活することが困難といった不安から。子どもの安全や就学の問題などが気にかかるから。夫から逃げる場合、仕事を辞めなければならず、これまで築いた地域社会での人間関係など失うものが大きいから。
しかし、暴力は、いかなる理由であっても、どんな間柄であっても、許される行為ではありません。被害者は、自分自身や子どもを守るために、また、DVに悩んでいる方から相談を受けた方も、まずは身近な窓口に相談してください。
・DV相談ナビ(短縮ダイヤル)【電話】#8008(はれれば)
・DV相談プラス【電話】0120-279-889
・性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(短縮ダイヤル)【電話】#8891(はやくワンストップ)
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