今月の担当は笠井美紀保健師です
みなさん、「フレイル」という言葉を耳にしたことがありますか?最近、よく耳にする言葉だと思います。
フレイルとは、一言でいうと「介護予備軍」のことで、病気ではないけれど、年齢とともに筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、健康と要介護の間のことを言います。放っておくと要介護につながる危険が高まります。フレイルに早めに気づき適切な対応を行うことで、進行を防ぎ、健康寿命を延ばすことにつながります。
フレイルの基準には様々なものがありますが、(1)半年以内に2〜3kg以上の体重減少がある(2)たくあんなどの固いものが食べにくくなった(3)歩行速度が低下した(4)週1回以上外出しないなどがあります。
では、どう対処したらいいでしょう。
フレイルは、「栄養(食事・口腔機能)」「運動」「社会参加」の三つの要素で構成されますので、フレイルの進行を予防するためには、これらの側面から対応する必要があります。
◇運動で筋力アップ
ちょっとした少しの運動でも継続して行うことが大切です。筋力の低下を防ぐことで、転倒、骨折で寝たきりになるリスクも軽減されます。
◇低栄養予防・口腔の健康
バランスのよい食事、口腔機能の維持も大切です。毎日の食事で、筋肉のもととなる魚、肉、卵、大豆製品や骨を強くする牛乳、乳製品を多く取りましょう。歯や口腔機能の健康を維持し、よく噛める状態を保つことも重要です。
◇外出と交流
社会参加の機会が減るとフレイルの最初の入り口になりやすことが分かってきました。地域のボランティア活動に積極的に参加したり、趣味のクラブに入ったり、体操の教室に通ったり、自分に合った活動を見つけ、社会参加することが大切です。
フレイルは、病気ではなく「介護予備軍」なので、元に戻せる段階ともいえます。フレイルに陥っていることが分かった場合でも正しく対処することで、回復も期待できます。フレイルの3つの要素でもある「栄養」・「運動」・「社会参加」を心掛け、元気に過ごしていきましょう。
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