■エコー検査でわかること(早期発見のために)
超音波は人の耳では聴こえない高い周波数のことをいいます。超音波を臓器や組織にあてて反射波を映像化する検査法のことをエコー検査といいます。この検査の特徴は、痛みがなく繰り返し検査が可能なこと、CTと違い被曝の心配がないことです。
平野診療所でも、2023年6月から10月までに29人の方が超音波検査を受けています。
部位別の検査人数は、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などの腹部領域が19人、心臓領域が4人、頸動脈検査が7人、乳腺、甲状腺などの表在領域が4人で29人中25人(86.2%)になんらかの異常所見が認められました。(図1)
腹部領域では脂肪肝、頸動脈検査では動脈硬化、心臓領域では左室肥大が最も多く見られました(図2、3)。脂肪肝は肝臓に中性脂肪が過度に蓄積した病態でアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝に大別されます。かつて非アルコール性脂肪肝は良性の疾患として治療の対象とはなっていませんでしたが、近年、非アルコール性脂肪肝を放置しておくと肝硬変や肝臓癌に進展する例があることがわかりました。従って早期に脂肪肝を発見することが重要で、その方法として超音波検査法は最適なツールといえます。
今回、図2、図3で示した所見以外にも甲状腺結節、脾臓腫大、腹水貯留、胸水貯留、前立腺肥大、リンパ節腫大などが見つかっています。
このように超音波検査は安全で多くの情報を短時間で得ることができる診断能力の高い検査法で、得られた情報は治療法の選択や治療効果などの判定にも役立っています。今後の健康維持のためにもぜひ超音波検査をお受けになってみてはいかがでしょうか。
◇症例提示
女性、74歳…自覚症状なし
超音波検査で偶然にみつかった6mmの膀胱癌。久しぶりに受けた超音波検査でごく早期の6mmの膀胱癌が見つかった。
■12月の診療体制
※土曜日診療(田邊医師)
内科、外科、小児科、小児外科
・12月9日(土)午前中
・12月23日(土)午前中
※エコー検査
・12月14日(木)午前中
問合せ:【電話】28-7510
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