6月は環境月間です。近年深刻さを増している環境問題について理解を深め、私たちにできることは何かを見つめ直してみませんか?
■海洋プラスチック汚染と私たちにできること
海を漂うプラスチックごみの8割は陸域から発生しているといわれており、海のない山梨県で暮らす私たちにも決して無関係ではありません。
市では2月10日、海洋プラスチックごみの調査研究をしている、国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下、JAMSTEC)・中嶋亮太主任研究員を招いて「プラごみゼロ講演会」を行いました。
海洋プラスチックごみにはどんな問題があるのでしょうか。講演会の内容を交え、紹介していきます。
◆日常生活にあふれるプラスチック
プラスチックは軽い・丈夫・安い・加工しやすいなど、便利で使いやすい性質から、大量生産、大量消費されてきました。身の回りを見渡せば、プラスチックが見当たらないことはないでしょう。
ペットボトルはもちろん、メガネや歯ブラシ、着ている服も大半がプラスチックです。缶飲料ですら、内側はプラスチックで加工されています。
世界では毎年約4億トンものプラスチックが生産されています。1950年代から今までに生産されたプラスチックの総量は92億トンで、そのうち70億トンがごみとして捨てられてきました。
ごみになった70億トンのうち、リサイクルされたのはわずか10%、焼却されたのは14%で、それ以外は埋立地や自然環境へと流れ込んでいます。
※下のグラフを参照
このまま海にプラスチックごみが流れ続けると、2050年には海のプラスチックの重量が魚の重量を超えるとの予想がダボス会議(2016年・スイス)で発表され世界を驚かせました。
最新の報告をもとにすれば、海洋プラスチックが魚の重量を超えるのは2050年よりもずっと後になりそうですが、毎年大量のプラスチックごみが海に流出していることは事実であり、その量は年々増え続けています。
☆1950年代から今までに作られた70億トンのプラスチックの行方
リサイクルされたのはわずか10%…
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