■レンガに歴史あり!「赤レンガ館」
明治時代からの“甲府市”を想起させる歴史的建築物が、甲府市の北部にあります。
今回は、市歴史文化財課の職員さんに案内していただき、山梨大学教育学部附属中学校の敷地内に建つ『赤レンガ館』を見学。地域の歴史や建造物の歴史などを学びました。
◇甲府市北部の発展の場
「赤レンガ館」を含む一帯は甲州財閥・若尾民造(たみぞう)さんらの寄贈の地。「赤レンガ館」は、1908(明治41)年ごろ、歩兵第四十九連隊※の糧秣(りょうまつ)庫(食料庫)として建てられ、第二次世界大戦の終戦まで使用されていました。現存していませんが、周囲には軍人のための宿舎や射撃場などもあったそうです。軍事施設には多くの人が集まるため、近所の朝日通り商店街が栄えるなど、まちの発展にもひと役かっていたようです。
※大日本帝国陸軍の連隊のひとつ(通称:甲府連隊)
◇忘れてはいけない地域の財産
「赤レンガ館」は登録有形文化財に指定されています。外観を変更しなければ中の改修や改装はできるそうで、現在は綺麗なホールになっており、中学生の授業や部活などで使用することもあるそうです。
一方で、大切な歴史を風化させないために、外壁のイギリス積みから変形したと思われる“オランダ積み”のレンガや特徴的な天井の造りなどは、当時の姿が守られていました。
◇山梨大学の歴史がわかる!
現在「赤レンガ館」の一部では、山梨大学教育学部の歴史を中心とした資料が多数展示されています。江戸時代の甲府学問所、徽典館(きてんかん)から現在の山梨大学になるまでの変遷などをわかりやすくまとめたパネル、施設の図や写真、実際に使用されていた用具や制服、通信簿などが並べられていました。
◇今月の担当レポーター 野呂 貴美恵
成人した娘が山梨大学教育学部附属小学校・中学校にお世話になっており、久しぶりに望む風景は懐かしいものがありました。甲府のまちの成り立ちにも大きく関係していたことを知り、建造物の歴史的背景を実感しました。事前に申請をすることで見学できるので、皆さんも一度訪れてみてはいかがでしょうか?
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