「人生会議」これからの人生をどう過ごすか、大切な人と話してみませんか?
■「人生会議」とは?
自分の大切にしていることや望み、自分が病気になったときや介護が必要になったとき、「自分はどう生きたいか」をあらかじめ考えて、ご家族・大切な人、主治医、医療・介護スタッフなどと話し合い、知っておいてもらうための取組みを「人生会議」といいます。
■なぜ「人生会議」をするの?
自分の「もしも」のとき、家族や自分の信頼できる人が医療・介護スタッフと話し合いをすることになります。その時、事前に自分の大切にしていることや望みを話し合ってあると、家族や自分の信頼できる人が自分の希望に配慮した対応をしやすくなります。また、自分の代わりに判断を迫られる家族や大切な人の心の負担が軽くなることにもつながります。
■「もしも」のとき、約70%が自分で意思決定できない
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。命の危険が迫った状態になると、約70%の方が、医療や介護などを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。
■最近の「終活」
テレビや新聞で話題になる機会が増えた「終活」とは、「人生の終わりについて考え備える活動」の造語です。一般的には、自分が亡くなった後の葬儀やお墓、遺言などの準備ととらえられています。
しかし、最近では、自分の死後に備えることだけでなく、「これからの人生をどう過ごすか」を考え、自分らしく過ごすための前向きな活動に変わってきています。
○「人生会議」の進め方
心や身体の状態に応じて、意思は変化するものですので、何度でも繰り返し考え話し合いましょう
※ただし、人によって考え方はさまざまです。知りたくない、考えたくない方への十分な配慮も必要です。
■人生会議について学んでみた
~自分らしく生きていくために大切にしたいことは何ですか?~
市では昨年度から、「やってみるじゃん」や「通いの場」、「シニアクラブ」などで計30回以上450人以上の方々に、人生会議についてのお話をしてきました。
国や市では、「人生会議」について啓発活動を行っていますが、まだまだ知らない方が多いのが現状です。そのため、市では実際にさまざまな集まりの場に出向き、啓発活動を行っていきます。
今回は、石和町小石和区で行っている「やってみるじゃん」に伺い、「もしも」のときに備える出前講座として、「人生会議」の学習会を行ったときの様子を取材しました。
◆「人生会議」の学習会のときに皆さんに聞くこと
「あなたが大切にしていることは何ですか」
なぜこのことを聞くのかというと、まずは自分自身がどういう人なのか見つめなおしてもらうためです。
そして、たとえ話をすることができなくなっても、意見をうまく伝えられなくなっても、私らしく生きるために知っておいてほしい私のことです。
また、どのように考えていたのかを家族に悩ませないための材料の一つにもつながります。このことを聞くと「家族の負担にならず迷惑をかけたくない」と答える方が多くいました。
○学習会後の感想
認知症になる前や、わからなくなる前だからこそ「わたしの想い手帳」を書いておくのはいいと思う!
普段しない話だから来てよかった
終活のことかと思ったら全然違う内容で、自分らしくいるための話でした。考えることができて良かった!
若さは関係なくエンディングノートなどを書いたほうがいいと思いました!
自分のため、家族のために人生会議の一歩を踏み出してみませんか?
◆「もしも」のときのために書いてみた
宮坂咲枝さん
○家族に負担がかからないように
歳を重ねるにつれ、本屋の店頭でもエンディングノートなどが並べられているのが目につくようになりました。そんな時、市で無料で「エンディングノート」と「わたしの想い手帳」が配られていることを知り、書いてみました。
私の両親は亡くなるときに何も言わずに亡くなってしまったため、本人がどうしてほしかったのか、本当にこうしてほしかったのか?これでよかったのかと悩みました。なので、私は家族に少しでも気持ちの負担がからないようにしたいと思い、書いてみました。またノートを記入するにあたって、今後気持ちが変わることがあるかもしれないので、今の想いを鉛筆で書いて書き直せるようにもしています。
○あらたまってではなく、日常の会話の中で
今はもちろん元気だし、急に家族に「『もしも』のときはこうしてね!」という話はなかなかできるものではないと思います。私は日常会話の中で「私だったらこうしてほしいなー」とかを自分から家族に伝えるようにしています。
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