子宮頸がんは、女性なら誰でもかかる可能性のある病気です。子宮頸がんは25歳〜44歳で罹患率がピークに達します。子宮がんの罹患は、わが国の女性のがんの中で比較的多く(2019年、5位)、また近年増加傾向にあります。一生のうちにおよそ76人にひとりが子宮頸がんと診断されています。
子宮頸がんの発症にはその多くにHPVウイルス(ヒトパピローマウイスル)の感染が関与しています。HPVの主な感染経路は性交渉と考えられています。性交渉経験のある約80%の女性が生涯のうち一度は感染するありふれたウイルスで、免疫の働きなどで自然に治る人がほとんどです。しかし、一部の人で持続感染し「前がん病変」が発生し、その一部ががんに進行します。
子宮頸がんの初期は無症状です。進行した場合に現れる自覚症状としては、生理(月経)時以外の出血、性行為による出血、茶褐色・黒褐色のおりものが増えるなどおりものの異常、足腰の痛み、血尿などがあげられます。
■早期発見・治療のため検診を受けましょう!
通常、子宮頸がんは一定の時間をかけてゆっくりと増殖します。一般には、HPVウイルスの持続感染により、子宮頸部の組織にがんに進行する可能性がある細胞が増えていきます。これを異形成と呼びます。定期的に検診を受ければ、がんになる前の異形成の段階で見つけることが可能です。早い段階で治療を行えば、狭い範囲の簡単な治療で完治することが可能なだけでなく、妊娠や出産も可能です。そのため、2年に1度の検診が大切です。
なお、今年度検診受診対象者の方にはすでに受診券を送付しています。万が一紛失等ありましたら、再発行が可能なため、一度いきいきセンターへご連絡ください。【電話】25-4000
■HPVワクチンでの予防も効果的
子宮頸がんの原因となるHPVは、HPVワクチンの接種によって感染を防ぐことができます。日本では、接種後に頭痛やけん怠感などを訴える女性が相次いだため、2013年6月に接種の積極的な呼びかけが中止されました。その後検証を重ね、厚生労働省はHPVワクチンの安全性と有効性を示すデータが国内外で集められたとし、2022年4月から積極的な接種の呼びかけを再開しました。
HPVワクチンは、HPVの感染を予防するものであり、すでにHPVに感染している場合は、体からHPVを排除することはできません。そのため、性交渉を経験する前に接種することが最も効果的です。
■子宮頸がん検診の検査方法
「細胞診」…子宮頸部(子宮の入り口)を先にブラシのついた専用の器具で擦って細胞を採り、異常な細胞を顕微鏡で調べる検査を行います。
※月経(生理)中は避けて検査を受けてください
<この記事についてアンケートにご協力ください。>