1 はじめに
昨年度、「トランペット鼓隊50周年記念イベント」を実施し、子どもたちだけでなく、地域の方々にとっても、トランペット鼓隊は「地域の宝」であることを再認識しました。
今年も、久田見小学校の伝統であるトランペット鼓隊と、地域の「人・もの・こと」から学ぶ総合的な学習の時間を核として、子どもたちが地域の人の思いを知り、地域のためにできることを考え、自ら貢献しようとする態度を育む教育活動に取り組んでいます。
2 地域を元気にするトランペット鼓隊
毎年発行している文集『高原の子ども』によると、本校のトランペット鼓隊は、音楽専門の教員が赴任してきたことが始まりになったようです。その際、地域の方が楽器を寄付してくださったこと、消防団と町内を演奏しながら練り歩いたことなどを伺いました。51年目を迎えた今も、地域のみなさまは、トランペット鼓隊の演奏を楽しみにしてくださいます。
トランペット鼓隊の練習では、常に子どもたち一人ひとりが目標をもって取り組んでいます。一学期に行った兼山小学校との音楽交流会では、「お客さんに、もう一度聞きたいと思ってもらえる演奏をしたい」という願いをもって練習に励みました。子どもたちは昼休みになると、自主的に練習したり、オーディションで合格できるように、家庭に楽器を持ち帰って練習したりしました。
当日の感想交流の場面では、兼山小学校の保護者の方から、「少ない人数でも堂々とした、迫力のあるすてきな演奏でした」という感想をいただきました。子どもたちは、自分たちの演奏で人を感動させられたことに喜びや満足感を抱くことができました。
二学期は、久田見保育園との合同運動会に向けて練習に励みました。兼山小学校との音楽交流会は体育館の中で行いましたが、今度は広い運動場で、わずか34人での演奏となります。それでも「この仲間とともに演奏する楽しさ」を実感し、そして何より、演奏を楽しみにしてくださる方に喜んでもらえる、そんな演奏を目指して取り組みました。
3 ふるさとのよさを実感した体験学習
本校は、総合的な学習の時間で、1年生から6年生までが、それぞれの学年に応じた、ふるさとに関わるテーマを追究しています。
5月、まずは自分たちが住んでいる町の魅力を体験しようと、「福地オリエンテーリング」を実施しました。「福地いろどり村」では、そば団子作りや薪割り見学を楽しみました。また、旧福地小学校では、地元の素材を生かして起業された「きぷらす工房」や「minamoto食堂」の方に協力いただき、どんな仕事をしているのか、どんな思いで始められたのかを伺いました。さらに、森林組合の方から植林の話を聞き、環境保全について学びました。
この体験的な学習を通して、地域を活性化したり、守ったりしようという思いや、八百津町の豊かな自然を生かした知恵を体感することができました。
9月には、学校運営協議会の方にご協力いただき、畑にそばの種を撒き、一学期に学んだことを広げています(本紙P18参照)。今後は、自分たちが地域のためにできることは何か、それを発信する方法を工夫できないか、授業を通して追究していきます。
4 おわりに
このように、本校の教育活動は、地域の方や学校運営協議会のみなさま、保護者の方々に支えられています。これからも、学校と地域との協働学習を通して、本校で学ぶ子どもたちが、自ら課題を追究し、自分が身に付けた力をふるさとのために生かす、そんな「一地域人」となるよう、教育活動に努めてまいります。
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