令和6年はまだ半分以上残っていますが、町内における4月末までの火災発生件数が、実はすでに令和5年の1年間における火災発生件数を上回ってしまっています。そこで今回のシリーズ防災安全では、火災予防啓発ということで、みなさまの身近なところに潜む火災の原因「電気」についてお話しします。
火災の原因として最も多いのは、タバコやコンロなど「直接」火を使うものではありますが、それと同じくらい注意していただきたいのが、生活するうえで欠かせない「電気」関係です。以前のシリーズ防災安全でもお伝えしましたが、挿したままのコンセントの隙間に埃が溜まり、そこに湿気が加わることで発生した火花から火災に繋がる「トラッキング現象」が電気火災の原因として多いといわれています。
しかし、それ以外の原因として「漏電」による火災も侮れません。ご家庭内には多くの電化製品がありますが、各部屋でそれらが使用できるように壁裏にも多数の配線が設置されています。配線自体は漏電しないように絶縁体で覆われてはいるものの、経年劣化などのちょっとした傷が原因で漏電することもあります。昨今のご家庭に設置されているブレーカーは、漏電を検知すると電気を遮断する、いわゆる「漏電ブレーカー」の機能が付いている物がほとんどですが、古いご家庭の場合その機能がない場合があります。種類にもよりますが、漏電ブレーカーを後付けすることも可能なので、今一度ご家庭に漏電ブレーカーが付いているか、付いている場合は故障していないかどうかを確認しておくようにしましょう。
ブレーカー繋がりでもう一つご紹介したいのが「感震ブレーカー」です。これは、文字通り地「震」などの一定以上の揺れを「感」知すると、自動的に電気を止めるものです。普段の生活というよりは、地震発生時の対策になります。大規模地震による火災の最大の原因が「電気」火災だともいわれています。地震発生時は、その被害自体で停電していることが多いので、その場ですぐに火災にはなりません。ところが、後々電気が復旧したタイミングで意図せず作動した電化製品や、被災家屋からの漏電が原因で出火する事例が大変多いです。避難する際にブレーカーを切って避難するのが鉄則ですが、慌てていることもありそこまで頭が回らない場合がほとんどだと思います。そのような事態になっても、感震ブレーカーを設置していれば地震が発生したタイミングでブレーカーが切れるので、電気が復旧しても火災に繋がりにくくなります。感震ブレーカーにもいろいろな種類がありますし、今回初めて感震ブレーカーという言葉を知った方もいると思いますので、これを機会に一度調べてみてはいかがでしょうか。
火災の原因は身近なところに潜んでいますが、だからこそ対策することが可能です。あらためて自分の身の回りに火災の原因になるものがないかどうかを確認してみましょう。
問い合わせ:防災安全室
(内線2232)
<この記事についてアンケートにご協力ください。>