■慢性心不全について
東白川村国保診療所 医師 神谷理斗
◆心臓の役割と慢性心不全
心臓は全身に血液を循環させる臓器であり、絶え間なく動き続けることで、全身に酸素や栄養を送り届けています。全身を回った血液は酸素が少ない状態で再び心臓に戻り、肺で酸素を補給してから再び全身へ送りだされます。つまり、全身→心臓→肺→心臓→全身…と循環します。
慢性心不全とは、様々な原因で心臓の動きが悪くなり、血液のながれが渋滞することで全身・肺に水が溜まってしまう病気です。日本人の死因で「心疾患」は第2位であり、東白川村でも第4位と上位です。
溜まった水分を尿として出す「利尿薬」を中心に治療を行いますが、その時は改善しても慢性心不全の原因については改善していませんので、再び繰り返し徐々に病状も悪くなっていきます。
▽症状と治療
全身に水がたまることで、むくみ、体重増加、息苦しさ、倦怠感、食欲低下、下痢など様々な症状を引き起こします。ここ最近疲れやすいと感じていたところ、家族や友人から「顔や足がむくんでいる」と指摘され、体重を測定すると数キロ増えている、といった風に見つかることが多いです。
溜まった水分を尿として出す「利尿薬」を中心に治療を行いますが、その時は改善しても慢性心不全の原因については改善していませんので、再び繰り返し徐々に病状も悪くなっていきます。
▽原因
高血圧、糖尿病、心筋梗塞、不整脈(心房細動など)、弁膜症・心筋症(心臓の構造の病気)、貧血、慢性腎臓病など様々な原因で心臓に負担がかかります。
▽予防
大切なことは「生活習慣の是正」と「生活習慣病の治療」です。
生活習慣を見直すことで生活習慣病の病状が良くなり、心筋梗塞や心房細動、慢性腎臓病などの予防につながります。塩分を控え(男性7.5g/女性6.5g未満、すでに心不全と指摘されている方は6g未満)、バランスのとれた食事と適度な運動、禁煙、節酒に努めましょう。生活習慣病については、忘れずに内服を行ったうえで主治医の先生に相談して下さい。
・問合せ:保健福祉課
【電話】78-2100
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