■一人一人に合った「ことば」の学びに向けて
私たちが生活する中で当たり前のように使っている「ことば」ですが、身に付けることは当たり前ではなく、発達の仕方は一人一人異なります。「ことば」の仕組みなどを知ることで、一人一人に合った学びにつながると考えます。今回はその一部である「文字」について紹介します。
○文字の学習につながる基盤
文字の学習につながる基盤には、見比べたり違いに気付いたりする力、音声を聞き分ける力、「りんご」と聞いて果物のりんごを思い浮かべられるという、ことばや文字が表すものが理解できる力などがあります。
学ぶ方法には、似たひらがなや漢字を並べ、どの部分が違うかを見比べる学習、文字を絵カードや写真と一緒に示しながら読み書きする学習などがあります。
○文字の認識・書字に必要な要素
文字を読んだり書いたりするために必要な要素には、形・大きさ・長さなどを理解すること、決まった点から点まで目と手を動かして線を書くこと、全体の中の必要な部分に注目することなどがあります。一生懸命見ようと思っても、視線がずれてしまったり、どの部分に注目したらよいか分からなかったりするお子さんもいます。
学ぶ方法の例としては、線つなぎなど、楽しい活動の中で点と点を結ぶ線を書く練習を行うことがあります。また、たくさん文字を並べてしまうのではなく、必要な文字だけを示すことで、注目しやすくなるという支援の方法もあります。
○文章へつながる段階
文章を読んだり書いたりするまでに「単語→文節→文→文章→段落」という段階があります。今、どの段階まで読み書きできるのかを見ることで、次のステップを考えることができます。
このように、「ことば(文字)」について知り、一人一人に合った学習方法や支援方法を見つけていきたいです。
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