4月に小学校6年生と中学校3年生を対象に「全国学力・学習状況調査」を実施しました。今年度、小学校は2教科、中学校は3教科で実施され、それぞれの教科に関する調査と、学習意欲・学習方法・学習環境・生活の諸側面に関する質問紙調査が行われました。結果を分析すると、次のような課題や傾向が見られました。
■教科に関すること
・市の平均正答率は、小学校「国語」「算数」、中学校「国語」「数学」「英語」において全国をやや下回っている
・令和4年度の標準化得点(全国の平均値を基準(100)として市の得点を算出した数値)と比較すると、小学校「国語」「算数」はやや上昇、中学校「国語」はやや下降、中学校「数学」は同等である。また、中学校「英語」は令和元年度と比較してやや上昇している
・調査項目ごとに全国と比較すると、小中学校ともによくできている項目と課題となる項目はほぼ一致している
●国語
・小学校では、目的を意識して中心となる語や文を見つけて要約する力が身に付いている
・中学校では、事象や行為、心情を表す語句について理解することができている
●算数・数学
・小学校では、伴って変わる二つの数量の関係について、表から変化の特徴を読み取り、表の中の知りたい数を求めることができている
・中学校では、数と整式の乗法の計算をすることができている
●中学校の英語
・日常的な話題について、短い情報を正確に聞き取り、事実と考えを区別して読むことができている
・日常的な話題について、自分の置かれた状況などから判断して必要な情報を読み取ったり、短い文章の概要を捉えたりすることに課題がある
■学習意欲・学習方法・学習環境・生活の諸側面に関すること
・「人が困っているときには進んで助ける」「いじめはどんな理由があってもいけないこと」と考えている児童生徒がいずれも90%以上であり、思いやりや仲間を大切にする心が育っている
・「先生は、よいところを認めてくれる」「困り事があるときに、先生に相談できる」の項目が全国や県に比べて高く、教師と児童生徒の良好な関係が築かれていると考えられる
・外国の人と友達になったり、外国のことについてもっと知ったりしてみたいと考えている値が、小中学校ともに全国および県を大きく上回っており、多文化共生教育を推進してきている成果と考えられる
・小学校では、読書離れの傾向がみられ、学校図書館や地域の図書館の利用度も低い。学習においても、文字から必要なことを読み取る力の改善が望まれる。中学校は、「読書が好き」な生徒が全国に比べて多い
・小中学校ともに、平日、週末を問わず、学校の授業以外で学習塾などを含めた学習時間が全国と比べて短い傾向がみられる。小学6年生では、1時間~2時間の学習に取り組む児童が多い。中学3年生では、学習に取り組む時間が1時間、2時間、3時間以上のいずれにおいても全国と比べ低い状況である
・ICT(情報通信技術)の活用では、小中学校ともに全国よりも高く、全国に比べるとICT機器を活用した授業実践が進んでいる
各小中学校では、自校の結果を分析するとともに、課題に対する向上策を考え、確かな学力が身に付く授業や自己肯定感を高める生活の充実を図っています。今後も各校の教育活動にご理解とご協力をお願いします。
問合せ:教育センター
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