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[特集01]70年の歩み(2)

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岐阜県美濃加茂市

可児:平成5年9月から3期12年を務められた市長として、お話を伺いたいと思います。市長就任にあたり、大切にされたことや基本理念として掲げられたことをお聞かせください。

川合:私は、市長となった最初の議会から「愛と信頼」を政治理念として、また自分自身に言い聞かせる言葉として大切にしてきました。愛とは、常に相手の立場に立って考え行動することで、市政にとっての相手とは市民の皆さんであり、窓口での説明一つにしても、職員が温かい人間性をもって市民に説明をする、そこから初めて真の信頼関係が結ばれます。そう考えると、愛と信頼は密接に関係している。そう思って、最初の施政方針でも「愛と信頼」と言ったように記憶しています。
また、市の基幹となる事業は、市長のその時の思いなどで行うものではなく、総合計画などに基づいて行うものです。そのため、こうした計画は、市民を含めたさまざまな人に意見を聞いて作り上げ、それを的確に実現していくことを大切にしました。
私が市長の時に、みのかも文化の森やJR美濃太田駅自由通路の建設を行いましたが、これらはすでに計画されていたものでした。中部台の住宅団地もそうですが、ここは緑を多くするなどのルールに加え、安全な生活道路となる街路計画を行い、当時としては先進的な「生活優先のまち」ができた、と思っています。

可児:対談の会場にした、みのかも文化の森の建設をはじめとした、公共施設整備についての思いなどをお聞かせください。
川合:みのかも文化の森の整備については、私が市長に就任する前から、市に数多く存在する貴重な歴史的資料を保管するための「資料館」を整備してはどうか、という考え方がありました。そうした先人たちの思いと文化会館を建設された髙橋三郎(たかはしさぶろう)市長の政策にも影響を受け、資料を保存するだけではなく、しっかりと活用すること、それも小中学生の教育活動とも関連づけた「博学連携」を基本的な考え方として、その実現のために建設しました。
また、下米田町に建設した津田左右吉(つだそうきち)博士の記念館と併せて、「古きものを大切にし、未来へと伝える」ことに重点をおく施設整備にも力を入れてきました。
東図書館についても、この小さな町に図書館が二つある、ということの是非についてしっかり考えましたが、これも市の特徴の一つになる、ということや学校などが集中する文教地区の拠点として、地域のコミュニティ機能を兼ね備えた施設が必要と考えて整備しました。

藤井:みのかも文化の森をはじめ、歴史・文化を伝える施設があることは、非常にありがたいと思っています。こうした施設があることで、市の歴史から先人たちの足跡を学び、市民の皆さんの郷土愛を育むことができます。今後も大切に活用していきたいと思います。
最近では、伊深町にある旧伊深村役場庁舎や旧櫻井(さくらい)邸といった歴史的にも価値のある建物を、壊すのではなく、活用のためリノベーション(建物に新たな価値などを付け加える工事)する事業を行い、カフェなど地域コミュニティの場になっています。いずれも伊深町だけではなく、美濃加茂市の魅力のある施設として多くの方に利用されていますので、今後も守るべきものは守り、有効活用していきます。

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