■子は「暮らし」を背負って登校する
子どもは、校門を境にして「児童・生徒」へと変化したように見えますが、家庭のことをきれいさっぱり忘れることはありません。家庭での出来事や保護者とのやり取りから、さまざまな影響を受けています。これは、学校の中での、同級生との関わりや先生との関係性においても同じことが言えます。つまり家庭と学校は地続きであり、地域と学校は、人々が生活を営んでいる共通の場所であり環境であるということです。
児童・生徒の支援では、学校・家庭・地域それぞれの分野に横断的に関わり、各支援機関の関係者を一体的につなぎ合わせるなど調整役の機能が必要です。
また、それぞれの分野に関わることで新たな課題が明らかになります。その課題を解消するためには、それに関わるさまざまな人たちとの対話と協働を通じた働きかけも必要不可欠です。
現在、教育と福祉の連携を推進するため、学校の先生の他、福祉・保健・医療の専門の人が集まり、児童・生徒および保護者が「より良く生きる」ために、何ができるか、どのように力になることができるかを、それぞれの専門性や支援のノウハウを持ち寄り、一緒に考える「家族を支える連携会議」を実施しています。
児童・生徒や保護者を含む家庭全体の理解を深めることで、学校をはじめとする関係者の中に「困った人」ではなく「困っている(可能性のある)人」という意識の変化と「気にかけておく」という眼差しが生まれてきます。それにより、「家族を支えるために何ができるか」という共通の考えを持ったチームが形成されます。
発達支援センターでは、こうした「学校・家庭・地域」をネットワーク化していくことで、子どもも保護者も地域住民も全ての人が、自分の可能性を広げ、強みを生かしながら共に「発達」していくことを支えていきたいと考えています。
まだまだ、始まったばかりの取り組みですが、庁内外の関係者と共に育み続け、市民、学校、支援関係機関の身近な相談窓口の一つとして機能するように努めていきたいと思います。
◇家族を支える連携会議の考え方
◇事例から見る発達支援センターの可能性
1.不安定になっていた子どもの変化に学校側が気付き、保護者との懇談を実施。
2.懇談の結果、家族の抱える課題が、学校側でできる支援の枠を超えていたことから、発達支援センターに相談。
3.センター職員による保護者への面談から、関係機関への相談も必要と判断。その結果、子どもと保護者どちらにも支援が必要であることが判明。
4.家庭の状況を学校側も把握し、ケース会議を実施。チームを編成して、子どもの特性や家庭状況に合わせた関わり方を実施できるようになった。
5.子どもが安心できる場所を創り出すことで、子どもの様子も安定してきた。保護者の不安や焦りも小さくなり、家庭環境の安定につながった。
◇Informaition
市では、ケーブルテレビのCCNetを活用した、行政情報の発信にも力を入れています。8月16日(金)から公開される、行政情報番組のウォーカブルシティミノカモでは「発達支援センター」を紹介しています。
映像は、公開日を合わせて、市のYouTubeチャンネル(下の二次元コード)からも視聴できますので、ぜひそちらもご覧ください。
※詳しくは本紙をご覧ください。
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