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【市長のコラム】愛Cityはしま 第109回

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岐阜県羽島市

■「正しい評価で 格差解消へ」
羽島市長 松井聡

仕事上の男女格差(ジェンダー格差)は、世界各国の問題でありますが、我が国の実情はさらに深刻です。2021年4月のアンケート調査では、半数以上の女性が、職場でのジェンダーギャップを感じていると回答。その割合は、年代が上がるごとに高まる傾向となり、40代では4人に1人が「ジェンダーギャップが非常にある」と回答しました。
女性であることが理由で、職場で経験や感じたことが「非常にある」が19%。「ややあると思う」が34%あり、半数以上の女性が職場でのジェンダーギャップを感じていることも明らかになりました。
具体的なジェンダーギャップの事例としては「お茶出し、掃除を任される」が38%、「給料格差」が37%、「昇級ペースに差がある」が36%の順となっています。一方、ジェンダーギャップを理由とした転職に関しては、70%以上の女性が「考えたことはない」と回答。職場や仕事に関する不満を抱えながら、転職にまでは踏み切れない現状が明らかになりました。
世界経済フォーラムが2023年に行った、男女格差を指数化した「ジェンダーギャップ指数」では、日本は146カ国中125位。先進7カ国(G7)では最下位です。特に、経済分野の仕事におけるジェンダー格差が、顕著であることが指摘されています。
上述したジェンダーギャップを感じる事柄で、数値的に指標化できるのは賃金格差です。ОECD(経済協力開発機構)では、男性労働者と女性労働者の中位賃金を比較。2021年の日本の男女間賃金格差は、22%と算定されました。
同じ時間を働いても、女性の平均賃金は男性の80%に達しないということです。同様の調査による、ОECD諸国の平均値は12%でした。日本の22%以上の格差があったのは、3カ国のみでした。
さらに注目されるのは、年齢別の男女賃金では、若年層の格差が小さく、年齢を重ねるほど格差が広がることです。この原因は、年齢が高くなると男性は、高度でかつ賃金が高い仕事に就く。一方、女性は年齢が高くなっても、若い年齢時と同じ仕事を課せられることが多いことにあります。
女性の場合はさらに、出産を経て仕事を続けた場合、出産前と異なる業務に就くことがあります。このことから賃金が下がる「母親ペナルティ」と呼ばれる格差が生じます。また、雇用主が、出産後に難易度が低く昇進が遅くなる業務に移す「マミー・トラック」という措置をとることもあります。
こうした業務転換は、善意であっても能力を阻害する逆効果となりかねません。一概に対応するのではなく、女性個人のスキルや意欲に応じた仕組み作りが肝要だと思います。

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