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[巻頭特集] 野生鳥獣の被害から守る 関市猟友会(1)

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岐阜県関市

関市の森林面積は全体の約80%を占めており、多くの野生鳥獣が生息しています。一方で、農作物への被害が生じ、人身被害や重大な交通事故の発生などが懸念されています。このような被害を食い止めようと「関市猟友会」の皆さんが日々活動しています。

■野生鳥獣による被害の増加
野生鳥獣による農作物の被害額は、令和4年度に日本全国で156億円におよび、全体の被害の約7割がシカ、イノシシ、サルによるものです。
関市でも令和4年度には推定869万5千円もの被害が発生しており、今後も被害の拡大が懸念されています。また農作物の被害だけでなく、騒音や野生鳥獣と車の接触事故などの被害報告が相次いでいます。
昨年度には、富野地区でクマの目撃情報が寄せられ、富野小中学校の登下校が保護者による送迎となるなど、市民生活にも影響を与えています。

◆関市の被害防止捕獲頭数(令和5年)
・イノシシ…208件
・ニホンザル…131件
・ニホンジカ…716件
・カラス…387件
・カワウ…240件
・アライグマ…47件
・ヌートリア…25件
・ハクビシン…95件
・タヌキ…165件
・キツネ…29件

■安全・安心な関市のために「関市猟友会」
市では農作物や人身などの被害を防止するために、鳥獣保護管理法に基づく狩猟免許を取得した会員で構成された「関市猟友会」の協力を受けながら捕獲を行っています。
※野生鳥獣の捕獲は鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)によって規制されており、原則禁止されています。

◆関市猟友会
「猟友会」は狩猟者を会員とする団体で、すべての都道府県に設置されています。おおむね市町村を単位とする支部があり、関市では「関市猟友会」が活動しています。関市猟友会には現在120人の会員が所属しています。野生鳥獣が増加する一方で高齢化により担い手の数が減少しています。

◆被害防止捕獲
市では、相談があった野生鳥獣の情報を関市猟友会に共有し、被害防止捕獲を依頼します。その後、情報を元に猟友会員が迅速に被害防止捕獲へと動き出します。

目撃・発見 → 農林課または地域事務所へ情報提供 → 市から連絡を受けた関市猟友会が迅速に対応

○農作物や人身などに被害を加える可能性がある鳥獣などを目撃した場合、決して近寄らず、農林課または地域事務所へご連絡ください。猟友会へ被害防止捕獲の依頼や市職員による追い払いなどの対策をします。

○一緒に活動してくれる皆さん、活動に理解してくれる皆さんに感謝。被害防止捕獲活動にご協力を。

野生鳥獣の被害で多いのは農作物への被害です。ちょうど食べられるころに被害に遭うことが多く、困っているという声を多く聞きます。またシカやイノシシが飛び出してきて車と衝突するという事故報告も耳にします。
関市猟友会の駆除隊員はこういった被害を少なくするために市からの連絡が入ると、迅速に被害防止捕獲活動をしています。また、連絡があった場所では自主的に見回りを実施することもあります。
関市猟友会では高齢化のため、5~10年後には活動の担い手がいなくなる可能性があり、野生鳥獣の被害もさらに増加していくと予想しています。市民の皆さんの財産を守るためにも、多くの人に猟友会員となって、力を貸していただきたいと思っています。

関市猟友会会長 臼田雄一(うすだゆういち)さん

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