■井原市の教育遺産を身近に『後月郡教育会の軌跡』
このたび、市内小中学校の元教職員で構成する「後月郡教育会史研究会」が「私立後月郡教育会報告書」を現代語訳し、まとめた冊子『後月郡教育会の軌跡』全三巻を出版しました。
「私立後月郡教育会報告書」とは、明治から大正期にかけての旧後月郡(現在の井原市から大江、稲倉、美星の各地区を除く地域)の小学校の教育施策などを記した、貴重な教育史料で、平成16年に井原小学校で見つかりました。そして、平成30年5月にはこの史料を基に教育史を研究するサークルとして「後月郡教育会史研究会」が発足しました。
出版された『後月郡教育会の軌跡』は、報告書の発刊以前となる明治維新直後から、報告書が閉刊し、教育会が解散する第2次世界大戦後までの郡内での教育史を分かりやすくまとめています。教育会は教職員の力量を高めるべく講習会を開催したり、相互扶助のための「互助会」としての機能を有していたりしました。
同研究会会長で、元市教育長の高木浩朗(たかぎひろあき)さん(95歳)は「地道な活動ですが、私たちの研究の成果から、先人たちの築いた教育の軌跡を学び、将来の教育に生かしていってほしいですね」と語ります。
本書は市内の学校や図書館などに寄贈されたほか、希望者に1セット1,500円で配付しています。
皆さんも本書から、地域で学校教育を育んできた、井原市の風土の源流に触れてみてはいかがでしょうか。
問合せ:後月郡教育会史研究会 山成益之さん
【電話】090-7502-3644
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