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自治体の皆さまへ

[診療一口メモ]健康ちょっといい話

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岡山県岡山市 クリエイティブ・コモンズ

◆かくれ脱水にご用心
岡山市医師会

◇かくれ脱水とは
かくれ脱水は、脱水が自覚されないまま脱水症状を生じる一歩手前に至った状態です。成人では体重の60%程度が水分で、これは熱中症などで急激に失われるだけでなく、生活習慣によって、じわじわと失われている場合もあります。この慢性的な脱水状態が、かくれ脱水です。かくれ脱水は、それが引き起こす症状が多彩でありながら、血液生化学検査には異常として検知されにくい特質があります。

◇水分の必要所要量とかくれ脱水の原因
一日に体重1kgあたり約30mlの水分摂取が目安で、体重50kgなら1500mlとなります。発汗の少ない冬季であっても乾燥によって水分を失うため、意識して水分をとっていないと、かくれ脱水に陥ってしまいます。あるいは、水分を十分にとっているつもりでいても、カフェイン類、アルコール類、ルイボス茶など利尿作用の強い飲み物に偏った水分摂取の習慣があれば、かくれ脱水を生じかねません。これは尿量が多くなる糖尿病を患っていたり、利尿剤が持病の治療薬であったりする場合も同様です。

◇かくれ脱水が引き起こす病気
頭痛や便秘は、かくれ脱水が引き起こすありふれた症状で、血管が目詰まりを起こす病気として知られる心筋梗塞や脳梗塞はもちろんのこと、不整脈や認知症でさえ無関係ではありません。また、付随する尿量の減少は腎臓に負担を強いるため、痛風や腎不全を患う誘因にもなり得ます。一方、筋肉で水分が不足すると鰹節のように硬くなって、肩こり、背部痛、腰痛を来すだけでなく、全身がつりやすくなります。これに伴って骨格にかかる力学的な負担も増えるため、四肢の関節は大小を問わず、顎の関節に至るまで違和感や痛みを覚えることがあります。

◇注意点と対策
持病によっては水分のとり過ぎが、かえって健康を損ねる場合もあるので、適切な水分摂取量を主治医に相談しましょう。また、真水ばかりを摂取して塩分が不足すると水中毒と呼ばれる別の病気を患う恐れもあるので、脱水状態には経口補水液の摂取がお勧めです。のどの渇きを満たすだけの水分摂取では、かくれ脱水に陥る危険があると心得ましょう。

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