■オーラルフレイル 〜知らぬ間に始まるおロの機能低下〜
最近、「噛めない食品が増えた」、「ご飯の食べこぼしやむせが増えた」、「滑舌が悪くなった」といったお口に関する問題を抱えていませんか。心当たりがある人はオーラルフレイルになっている可能性があります。
オーラルフレイルとは、加齢による衰えのひとつで、ロ腔機能(噛む、飲みこむ、しゃべるなどのおロの動き)が軽度に低下した状態です。健康と機能障害との中間にあり、可逆的であることが大きな特徴の一つです。つまり早めに気づき適切な対応をすることでより健康に近づけます。
しかし、オーラルフレイルの状態を放置すると、人生の楽しみのひとつである食事への満足度が低下したり、他者との交流が円滑に行えなくなったりするため精神面でダメージを受けることも少なくありません。そして、それが活動性の低下につながり、さらなるロ腔機能の低下を誘発し、食事量の低下などによって低栄養状態につながっていきます。ロ腔機能が良好な人と比べて、オーラルフレイルになっている人は、要介護になる割合が2倍以上になるという報告もあります。
オーラルフレイルに対しては、歯周病やむし歯の治療を行い、残存歯数を維持することが大切なのはもちろんですが、舌やロ周りの筋肉、くちびるなどを含んだおロ全体の健康状態を維持することが大切です。唾液分泌を促したり、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)に必要な筋肉を鍛えたりする「ロ腔体操」を取り入れることも必要です。「年齢だから仕方ない」と諦めず、定期的に歯や口の健康状態をかかりつけ歯科医に診てもらい、介護予防事業などの口腔機能改善のための教室やセミナーに参加することをお勧めします。
問合せ:健康増進課
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