■成年後見制度(法定後見)における身上保護とは?
認知症や知的障がい、精神障がいなどによって、判断能力が低下した人が利用できる国の制度として、成年後見制度があります。この制度には、利用者の「金銭管理」という役割以外に、「身上保護」という役割があることをご存じですか。今回は、「身上保護」についてご紹介します。
まず「身上保護」という言葉について触れておきたいと思います。今では「身上保護」と呼ばれることが多くなりましたが、以前までは「身上監護」と表記されていました。「監護」には、監督保護するという意味がありますが、利用者の意思を尊重する視点から、「監護」に替わって「保護」という言葉を使うことが増えています。
それでは、「身上保護」とはどのような行為を指していると思いますか。
具体的には、利用者に代わって後見人などが、医療・福祉サービスの契約や手配、施設入退所の契約手続きなどを行うことですが、食事の世話や実際の介護などできないこともあります。
後見人などは利用者の状態(病状や障がいなど)に目を向けるだけでなく、利用者が望む生活に近づけることができるよう生活のスタイルや好き嫌いなどを聞き取っています。「身上保護」は、利用者が安心して生活ができるように環境を整える役割と言うことができます。
金崎社会福祉士(令和5年度赤磐市権利擁護アドバイザー)
制度に関する相談窓口:
・高齢者…地域包括支援センター
・障がい者…社会福祉課
問合せ:あかいわ成年後見サポートセンター
(事務局…介護保険課)
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