この夏、記録的な猛暑が続いた岩手県。ここ数年は、豪雨・台風による大きな被害が相次いでいるほか、三陸沖の魚種や生態系も変化し、豊富だったサンマやサケの漁獲量も大幅に減少しました。
このような現象は、二酸化炭素(シーオーツー)などの温室効果ガスの増加による温暖化が影響していると言われ、県は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げ、さまざまな取り組みを進めています。
脱炭素を意識して行動することは、岩手の環境を守るだけでなく、健康や家計にもメリットがあります。皆さんもおトクに「エコ活」してみませんか。
■キューアンドエー
問い1:地球温暖化でどんな影響が出ているの?
答え:台風や豪雨によって洪水や土砂災害が起きたり、海面の水位が上昇して高潮や高波が発生したり、高温による農産物の生育不良や品質低下などが心配されています。
写真が2枚あります。
1枚目:豪雨により増水した馬淵川(令和4年8月)大量の濁流が民家に迫っている様子です。
2枚目:高温によるリンゴの着色不良木になっているリンゴにうっすらとだけ赤みが付いている様子です。
写真終わり
※写真は本紙またはPDF版をご覧ください。
問い2:地球の気温はこれからどうなるの?
答え:二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスをこのまま排出し続けると、2100年には世界の平均気温が、1850年から1900年を基準として最大5.7度上昇すると予測されています。
グラフがあります。
説明:地球の気温はこれからどうなる?
1950年から2100年までの地球の気温の変化を表した折れ線グラフです。今のままだと2081年から2100年には最大5.7度気温は上昇すると予測されています。その変化が赤で示されています。一方、厳しく制限していけば気温上昇は2度以下を保てると青でしめされています。
グラフ終わり。
(出典)アイピーシーシー第6次評価報告書 ダブリュウジーいち フィギュア エスピーエムはち フィギュ アティーエス はち
※グラフは本紙またはPDF版をご覧ください。
問い3:二酸化炭素が排出される原因は?
答え:日本の家庭から排出される二酸化炭素排出量を見てみると、多くを占めるのは照明や家電製品、自動車によるものです。全国と比べて岩手は、暖房や自動車からの排出量が多くなっています。
グラフがあります。
2021年度家庭からの二酸化炭素排出量 用途別内訳
説明:世帯あたりシーオーツー約3,730キログラムの排出量の内訳を示した円グラフです。
用途別内訳は
暖房から15.6パーセント
冷房から2.2パーセント
給湯から14.5パーセント
キッチンから5.6パーセント
照明・家電製品などから32.1パーセント
自動車から24.3パーセント
ゴミから4.0パーセント
水道から1.7パーセントとなっています。
グラフ終わり。
(出典)温室効果ガスインベントリオフィス
※グラフは本紙またはPDF版をご覧ください。
問い4:カーボンニュートラルってなに?
答え:温室効果ガスの排出量を「全体としてゼロ」にすることです。排出量と同じ量を「吸収」するか「除去」すれば差し引きゼロになるため、これを目指して対策に取り組んでいます。二酸化炭素だけでなく、メタン、一酸化二窒素(いっさんかにちっそ)、フロンガスを含む「温室効果ガス」が対象となっています。
■岩手県は再生可能エネルギー王国
○太陽光
特に沿岸南部などは日照条件が良く、太陽光発電に適した地域。一般住宅用から事業用まで広く導入が進んでいます。
○水力
水資源が豊富な岩手。県営17カ所をはじめ、県内に50カ所以上の水力発電があり、再生可能エネルギーの中で最も多く発電しています。
○バイオマス
木材、牛や豚などのふん尿、生ゴミなど、化石燃料以外の動植物に由来するバイオマス。県土の約8割が森林のため、木質(もくしつ)バイオマスは持続可能なエネルギー資源です。
○風力
岩手県は県土が広く、安定した風に恵まれた地域が多いため、各地で風力発電の導入が進んでいます。
○地熱(ちねつ)
国内初の地熱発電所である松川地熱発電所をはじめ、葛根田地熱発電所、松尾八幡平地熱発電所、滝ノ上(たきのうえ)地熱バイナリー発電所が稼働。この4カ所の合計出力約61メガワットは、全国有数の設備規模です。
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