【特集】だまされないで―消費者トラブル、特殊詐欺被害の今―(1)

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「まさか自分がだまされるなんて…」
「あの時、おかしいなと気付いていれば…」
便利な生活の中に仕組まれた巧妙なわな。
人ごとではありません。自分を守る準備はできていますか?

●全国で増え続ける消費者被害
「令和6年版消費者白書」によると、令和5年中に全国の消費生活相談窓口に寄せられた消費生活相談は90万9千件に上り、令和4年の87万6千件より増加しました(グラフ(1))。また、消費者被害・トラブル額は約8兆8千億円となっており、過去5年で最も多くなっています(グラフ(2))。

(1)消費生活相談件数の推移

●一関も例外ではありません
令和5年度に市の消費生活センターに寄せられた相談は604件ありました。令和4年度からは46件減少しましたが、5年連続で500～600件台で推移しており、いまだに高い水準となっています(グラフ(1))。
年代別で見ると70歳以上の高齢者が全体の25.3%を占めていますが、インターネット利用に慣れている30歳未満の若い世代もトラブルに巻き込まれています(グラフ(3))。

(2)消費者被害・トラブル額の推移(全国)

(3)相談者の年代(一関市)

■ご用心!こんなトラブルが増えています
市に寄せられた消費者トラブルや特殊詐欺被害の中から、特に増えている事例を三つ紹介します。

●file01　「1回だけ」のつもりが定期購入?!(このケースが目立ちます!)
※詳しくは本紙をご覧ください。

○注意
・「お試し価格」「初回無料」の商品が、実は定期購入の契約になっているケースが多数
・「いつでも解約OK」と記載されていても、解約申出期限の設定があると解約・返品はできないことも
・通信販売にクーリング・オフ制度はありません。よく考えて注文しましょう

○対策
・通信販売の場合、定期購入になっていないか、申し込み時の最終確認画面の表示内容を確認し、スクリーンショットを撮っておきましょう
・注文前に解約方法と事業者の連絡先を確認しておきましょう
・意図せず定期購入の契約になっていたら、すぐに事業者に連絡し、定期購入の手続きはしていないことを伝えましょう

(4)市の消費生活相談で受け付けた相談内容(令和5年度)

通信販売に関するトラブルが最多で、file01のような「1回だけのつもりが定期購入だった」という例が増えています。幅広い年代にスマートフォンが普及し、インターネットを利用する機会が増えたことで、相談件数が増えている状況にあります。

●file02　アナログ回線に戻せば料金が安くなる?!
大手通信会社を名乗る電話があり、「光回線を解約しアナログ回線に戻すと、今より料金が安くなる」と勧誘された。
契約後に書面を確認すると、大手通信会社ではない別業者と、月額5千円のオプションサービスの契約を結んだことになっており、解約を申し出ると高額な違約金を請求された。

○注意
・光回線などからアナログ回線へ戻すだけのはずが、オプションサービスやコンサルティングサービスなどの詳細不明な契約を結んだことになっており、高額な費用を請求されるケースがあります
・大手通信会社や代理店を名乗っていても、実際は関係のない事業者であることも…

○対策
・勧誘してきた事業者名と契約内容をしっかり確認しましょう
・光回線などの契約をアナログ回線に戻す場合には、直接NTTに問い合わせましょう。手続きは相談者自身でもできます

●file03　「コンビニで電子マネーを買って」は詐欺です!
パソコンでウェブサイトを閲覧中、突然「ウイルス感染」という警告と、サポートセンターをかたる電話番号が画面に出た。電話すると、ウイルスを除去するソフトをダウンロードし、費用はプリペイド型の電子マネーで支払うよう指示された。すぐにコンビニで2万円分の電子マネーを購入し、番号を伝えると「番号が間違っている。再度2万円分購入してきて」と畳みかけられた。家族に相談すると「詐欺だ」と言われた。

○注意
・コンビニなどで電子マネーカード(プリペイド型)の購入を指示し、ID番号を聞き出そうとする方法は全て詐欺です。番号を伝えてしまうとお金を取り戻すのは困難です

○対策
・電子マネーカードのID番号を写真に撮って画像を送信したり、番号を教えたりしてはいけません
・「料金が未納である」「直ちに裁判になる」と脅されても、相手には連絡せず、家族や知人らに相談しましょう
・電子マネーカードのID番号を伝えてしまった場合は、すぐにカード発行会社に連絡しましょう