旧山形村で始まった体験型教育旅行。平成17年から仙台市の中学校の受け入れを本格的に開始し、今年で20年目を迎えます。地域の協力のもと、市と久慈市ふるさと体験学習協会が中心となって受入規模を拡大。訪れた多くの人たちと「こころの交流」が育まれています。
地域の自然や産業、そこに住む人との交流を通して、都会に住む子どもたちに自然や人とのつながりの大切さに「気づく機会」を提供する教育旅行。
旧山形村で始まった教育旅行は、受入地域を侍浜町や夏井町へ拡大し、山里海を舞台に30以上の体験プログラムを提供しています。
訪れた生徒が地元の人とふれあいながら田舎暮らしを体験する農林漁家民泊体験は、生徒たちの新たな一面を発見する機会に。地元にとっては地域の魅力や文化を見つめ直すきっかけとなっています。
本年度は4月23日から受け入れを開始。仙台市の中学校をはじめ、首都圏の大学や県内・市内の小中学校など26校が訪問しています。生徒らは、シャワークライミングやカヌー・カヤックの自然体験のほか、琥珀採掘や郷土料理作り、民泊などを体験しました。
昨年度は初めて冬季の受け入れも行い、四季折々の体験を提供しています。
■体験した皆さんに感想を聞きました
◇平山小学校6年生 小向紫音(しど)さん
最初は船に乗るのが楽しくてワクワクしていましたが、途中から少し気持ち悪くなってしまいました。それでも、初めて体験する刺し網での魚の収穫では、魚を手に取る瞬間がドキドキして、とても新鮮で興奮しました。
◇東京農業大学3年生 青木凜桜(りお)さん
普段は農業実習が多いですが、久慈では畜産や郷土料理作りなど、ここでしかできない体験、新たな発見をすることができました。まめぶ作り体験を通して、気候風土と食の背景などを知ることもできて、貴重な経験になりました。
◇北仙台中学校2年生 鈴木夢羽(ゆめは)さん
三陸沿岸道路から見える海がとてもきれいでした。洞窟体験では、鍾乳石が1年で1ミリしか伸びないことを知り、自然の営みに驚きです。真っ暗で何も見えない場所もあり、まさに暗闇の世界でした。琥珀を見つけることができて、楽しい思い出がたくさんできました。
◇仙台白百合学園中学校2年生 今井花音(かのん)さん
民泊先には、小さい子どもたちがいて、一緒にカードゲームやバーベキューして素敵な思い出ができました。自然が豊かで、あちこちに牛舎が見られる風景が印象的でした。畜産体験では、向こうから牛が寄ってくる姿がかわいかったです。
■心地よい時間で心も体もリフレッシュ 久慈セラピー
市と久慈市ふるさと体験学習協会は、教育旅行で培った平庭高原でのトレッキングを健康目線で再構成。健康増進を目的とした体験型観光「久慈セラピー」を開発し、平成30年からプログラムを提供しています。
久慈セラピーは、運動に関心のない人にも健康や運動へ興味を持ってもらい、市民の健康増進と交流人口の拡大を図ることを目的に開発されました。
平庭高原、山根町、侍浜町、巽山神社周辺の4エリアで、ウオーキングやヨガなどの体験プログラムを用意。気候療法士インストラクターや温泉入浴指導員の資格を持つスタッフがガイドを務め、日常を離れた心地よい時間を楽しめます。
プログラム向けに市内飲食店と開発した、健康食も提供。カロリーや塩分量、栄養バランスに配慮し、素材の味を活かした食事を味わうことができます。
一般の人も体験可能です。健康のために地元でのセラピーを体験してみませんか。
◇侍浜タラソテラピーウォーク
みちのく潮風トレイルを歩き、エアロゾル(海塩粒子)を浴びながらリフレッシュできます。地形を活かして筋力と持久力のアップにも効果的です。
◇平庭白樺美林ウォーク
平庭高原で白樺美林とブナ林をウオーキング。木漏れ日の適度な紫外線と冷涼な風の中で、サンカヨウやレンゲツツジなど季節によってさまざまな植物に出会えます。
◇開運!十二支巡りウォーク
中心市街地で十二支巡りができる全国でも珍しい場所です。3キロほどのコースを神社を巡りながらゆっくりと歩きます。おすすめのお手軽コースです。
■スノーシュートレッキングで冬もアクティビティを楽しもう!
◇スノーシューって?
雪の上を歩くための西洋かんじきで、雪原を歩いたり斜面を昇り降りする際に活躍します。スノーブーツや長ぐつでは足が雪に埋まってしまい歩くのが大変ですが、スノーシューは雪上でも自由に移動することができます。
◇日本一の白樺林で雪原を散策!
深い雪の中でもさくさく歩けるスノーシューは、雪あそび初心者にもピッタリです。雪の上を歩く体験は新鮮で、いつもと違った景色を見ることができます。ウサギやキツネ、タヌキなどの足跡を観察することもできます。子ども会や放課後教室、団体などでの申し込みも可能です。スノーシューで日本一の白樺林へ出かけてみましょう!
開催時期:1月~3月まで(積雪状況による)
体験時間:(1)9時30分~(2)13時~(2時間程度)
集合場所:平庭山荘
受入人数:2名以上
体験料金:1人2,500円(スノーシューの貸出料込み)
参加年齢:10歳以上
■一緒に受け入れをしてみませんか 民泊家庭とインストラクターを募集中
一般家庭に宿泊して田舎暮らしを体験する農家民泊の受け入れを行っており、山形町、侍浜町、夏井町で受入家庭を募集しています。一緒に活動してくれる体験インストラクターも募集中!興味を持たれた人はお気軽にご連絡ください。
◇民泊についてのよくある質問
Q:どんな生徒が来ているの?
A:仙台市や首都圏からの中学生や大学生などです。
Q:何人くらい受け入れるの?
A:4~6名程度。必ず毎回受け入れなければならないものではありません。
Q:特別な食事は提供できないが大丈夫ですか?
A:魚の煮つけやおひたし、自宅で取れた野菜を使った料理など、普段の食事で大丈夫です。
◇インタビュー/桑田和雄さん(侍浜町)
家族が増えたようで毎回楽しみに学生たちを迎えています。受入期間中は24時間体制で市と協会がサポートしてくれて、安心しておもてなしができます。
季節を感じられる体験プログラムが他にもたくさんあります。詳しくはHPを確認するか問い合わせください。
問合せ:一般社団法人久慈市ふるさと体験学習協会
【電話】0194-75-3005
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