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自治体の皆さまへ

それって、もしかして児童虐待?

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岩手県住田町

全国的に、児童虐待によって幼い子どもが命を落とす事件が後を絶たず、いまや社会全体で解決すべき重要な問題となっています。
本特集では、児童虐待への正しい理解を深め、新たな虐待を生み出さないために必要なことを考えていきます。

◆児童虐待とは?
児童虐待と聞いて、多くの方が子どもを叩くなどの「暴力」をイメージするのではないでしょうか。暴力を加えるだけでなく、子どもを放置したり、心を傷つける言葉や行為なども児童虐待です。

▽虐待の4分類

引用:こども家庭庁ホームページ

◆体罰・暴言は子どもの脳に悪影響です
福井大学友田教授の研究によると、体罰や暴言は子どもの脳に「萎縮」や「変形」などの影響を与え、「落ち着いて話を聞けない」「感情を上手く表現できない」など子どもの行動・精神面にさまざまな問題が現れることが報告されています。
※図は本紙をごらんください。

◆虐待通告件数は県内でも増加傾向
全国での虐待通告件数は、令和4年度は速報値で1778件でした。前年と比べると減っていますが、過去2番目の多さとなっています(表1)。
住田町を管轄する一関児童相談所では、令和4年度は同じく速報値で453件となっており、H30年から比べると増加しています。

◆被虐待児は小学生が最多
被虐待児童の年齢別では、小学生が最多で、次いで多いのが0歳~3歳未満の子どもです(表2)。
また、乳幼児はネグレクトによる虐待で死に至る場合があり、特に0歳児は虐待による死亡が最も多い年齢となっています。
加えて、乳児でも親同士による面前DVなどの心理的虐待は大きな悪影響を与えます。1歳頃には脳の体積が大人の約7割に達すると言われており、後の成長に大きく影響します。

▽表1「県内児童相談所への虐待通告件数」

▽表2「一関児童相談所へのR4年齢別通告件数」

◆こんなサインは児童虐待かも…
子どもや保護者の状況について、「何か変だ」と感じる異変や違和感を見逃さないことが重要です。
▽子どもからのサイン
・表情が乏しい
・落ち着きがなく、乱暴
・家に帰りたがらない
・親を避けている など

▽保護者からのサイン
・家の中や外が散らかっていて不衛生
・近所との交流がなく孤立している
・子どもを置いて外出している
・人前でこどもを厳しく叱る、叩く など

◆地域の人へのお願い
上に挙げた子ども・保護者のサインを見かけたり、虐待かもと感じたら、下記までご連絡ください。
※通報は匿名でも構いません。また、通報者の秘密は守られます。

◆「虐待」と「しつけ」の判断は子ども自身
▽こんなことをやっていませんか?
子どもを持つ保護者にとっては、子どもの将来のために教育することは大切なことです。
しかし、子どもを思う気持ちが強い余りに家庭内で次のようなことをやっていませんか?
・事例1「成績が悪かったんだから、もっと勉強しなさい!」
・事例2「なんでこんなこともできないんだ?」

▽子どもの感情や価値観を尊重しましょう
虐待であるかの判断は、子どもの側に立ってさまざまな面から判断しなければならず、そこに親の意図は関係ありません。保護者がどんなに一生懸命で、その子をかわいいと思っていても、子どもにとっては過度な負担と感じている可能性があります。
ここで紹介した事例のように、子どものためを思えば思うほど、干渉したくなるのが親というものです。しかし、勉強や習い事は、「やらせている」ではなく「やりたい」という子どもの気持ちや選択を尊重することが重要です。
もし、自分の行動に思うところがあったり、子どもの様子がおかしいと感じた場合には、専門家に一度相談してみましょう。自分の行動が原因で子どもに不調が表れているという事実に向き合うのは、とても苦しいことです。しかし、その事実を素直に受け止めることが、子どもの健全な成長につながります。

◆悩みをひとりで抱え込まないでください
▽子育て中の保護者の皆さまへ
子育てはとても大変なことです。時には子どもに腹が立ったり、イライラしたりすることは、子育て中の保護者の多くが経験するものです。
町でも、相談員や保健師などが連携を取り合って、皆さんの子育てを支援しています。
1人で抱え込まずに、まずは、子育てに悩んだ時には左記連絡先へご相談ください。

◆通報・相談先
▽24時間・年中無休
児童相談所全国共通ダイヤル【電話】189(通話料無料)

▽平日8時30分~17時15分
一関児童相談所【電話】0191-21-0560
町保健福祉課福祉係【電話】46-3862

問合せ:保健福祉課 福祉係
【電話】46-3862

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