~知識(チシキ)があれば景色(ケシキ)が変わる~
青森県から福島県を結ぶ一本の道「みちのく潮風トレイル」が、世界から注目を集めています。今回は、全線開通5周年を記念して町のコースの見どころを紹介します。
2019年に全線開通した「みちのく潮風トレイル」は、青森県八戸市から福島県相馬市までを1本でつなぐ、全長1000キロを超えるロングトレイル(長く歩く旅の道)です。そのうち町内のコースは、角浜地区から中野地区までをつなぐ約28キロ。東日本大震災後、環境省の復興事業の一環として始まり、本町を含む4県29市町村で取り組んできました。
八戸〜久慈間の開通を皮切りに、トレイル沿線に住む地域住民や関係団体がトレイルを盛り上げ、少しずつ、すくすくと育ち、今年で全線開通から5周年を迎えます。
1000キロ全線を歩いたハイカーは150人にも及び、部分的に利用するハイカーは年間延べ10万人を超えています。海外からのハイカーも増えており、さらに滞在日数が長いこともあり、本町でも外国人の姿をよく見かけるようになりました。
みちのく潮風トレイルは英国タイムズ紙で「日本で訪れるべき14の場所」のひとつに選ばれました。美しい景観やおいしい食事はもちろん、皆さんの日常の暮らしなど、東北沿岸のありのままの姿が、ハイカーにとって一番の魅力。歩いたことで、トレイル沿いの地域のファンになるハイカーはとても多いのです。
これからも、大きなバックパックを背負い歩くハイカーをみんなで温かく迎え、一緒にこの道を育てていきましょう。次頁からは、自然が織りなす造形美や各所にまつわる情報など、町のトレイルコースの見どころを紹介します。
新たな知識をバックパックに詰め込んでトレイルコースを歩いてみませんか。きっと新しい景色に出会えるはずです。
■トレイルコースを紹介してくれる2人です!
地域おこし協力隊の坂本香菜(かな)隊員と、4月から町水産商工課商工観光係に配属になった大井陽友(ひゆう)主事がトレイルコースを紹介します。
(1)「堺」岩
岩手県と青森県の県境の二十一川の河口には、「堺」と彫られた県堺を示す県堺石があります。
町内の最北にある角浜地区からスタート。お隣は青森県階上町です。
(2)浜の鳥居
大海原を望む鳥居は、海とともに生きる人たちが海上安全、大漁、無病息災を願って建てたものです。
(3)種市高校
南部ダイバーを育成する海洋開発科がある、国内唯一の高校。NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地にもなりました。
⇒種市高を過ぎると全長約1キロの防潮堤があります。防潮堤から望む景色は絶景です。
(4)トレイルカウンター
町内2カ所(川尻と中野)に設置されているトレイルカウンター。通過した際には、カウントにご協力ください。
(5)増殖溝
ウニを育てるための「増殖溝」。大潮周りの干潮時には、くっきりと姿を現します。
⇒種市海浜公園に新設された箱型のベンチ。海を眺めながら休憩してみてはいかがですか。映えスポットとして密かに人気です。
(6)窓岩
窓のようにぽっかりと穴が空いた岩に、地層がつくるしま模様が見える「窓岩」。
約8,500万年前の太古の地層と海がつくりあげた、芸術的な奇岩です。
(7)大浜川
国道45号の下に流れる大浜川。生い茂る緑と、せせらぎに癒されます。
(8)大浜踏切
道路と海をつなぐ踏切です。地元の人が浜作業などのために通ることが多く、フォトジェニックな場所です。
⇒JR八戸線では、運行期間中の金曜日〜日曜日に、「東北EMOTION」(レストラン列車)が運行しています。見かけた際には、大きく手を振っておもてなししてくださいね。
(9)辰の口
ルートを外れて、小子内浜漁業協同組合を左に入り200メートルほど北上すると「辰の口」と呼ばれる岩があります。波の侵食でこのような形になったと言われています。
(10)清光館跡
日本民俗学の祖として有名な柳田国男が、取材のために三陸海岸を徒歩で北上した際に宿泊した「清光館」の跡地です。石碑が建てられています。
(11)原子内水門
原子内にある水門の階段を上ると、有家駅までは砂浜を歩くルートです。
水門の上からの眺めは絶景です。
⇒ゴール地点にある高家漁港。ゴリラの横顔のような大きな岩があります。
漁港に流れる高家川がゴールです。
■トレイルの記念にスタンプを集めよう!
・ひろの水産会館ウニーク
・町にぎわい創造交流施設ヒロノット
・松橋酒店
・マリンサイドスパたねいち
・きのこの駅
・大久保商店
町内の6カ所にスタンプが設置されています。洋野町スタンプ(ヒロノット設置)とほかのスタンプを2個以上集めると、ピンバッジを購入できます。購入はサテライト施設またはオンライショップにて。
・オンラインショップ TRAIL GATE
【HP】https://trailgate.jp
トレイルコースには、ひろの水産会館や町にぎわい創造交流施設ヒロノットなど、16カ所にトイレの貸出や水の補給、道の案内、飲食物を購入できる施設があります。お気軽にお立ち寄りください。
■参加者募集
6月22日(土)に「ひろの歩き〜みちのく潮風トレイルを歩こう〜」(町観光協会主催)を開催します。ルートは角浜から種市海浜公園です。皆さんの参加をお待ちしています。
申し込み・問い合わせ先:町観光協会(水産商工課内)
【電話】65-5916
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