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特集 ヒロノのミライ (1) 〜人口減少による影響〜 2

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岩手県洋野町

■問題は人口減少だけなのか?
ただ単に「町の人口が減っている」ことが問題なのでしょうか。
表2は、町の年齢3区分別の人口比率がどのように変化してきたか、令和7年以降はどのように変化していくかを予測したものです。老年人口に区分される65歳以上の割合が増え続けています。
人口は減少し続け、65歳以上の割合は増え続ける「少子高齢化」が喫緊の課題と考えられます。町では令和32年、今から26年後には約3人に2人が65歳以上になると予測しており、町内での働き手不足や地域コミュニティーの維持困難にもつながってきます。

(表2)年齢3区分別人口比率の推計

・令和2年(2020)までの総人口および年齢3区分別人口は国勢調査より作成
・令和7年(2025)以降の総人口および年齢3区分別人口は社人研推計より作成
※年齢3区分とは,人口を14歳以下(年少人口)、15歳から64歳(生産年齢人口)、65歳以上(老年人口)の年齢別に分けたものです

■若年女性が減るとどうなる?
表3は、町の若年女性人口の推移と今後の推計を示したものです。この表から、若年女性の人口が年を経るごとに減少していることがわかります。令和2年で、すでに平成25年推計を大きく上回るペースで減少しており、今後も大幅な減少が見込まれます。
若年女性の人口が減少するということは、町で産まれる子どもの減少に直結し、子どもの数も年々減っていくことになります。平成18年に1200人いた小中学生が、今年は835人と約30%も減少しています。
このように、若年女性の減少は自治体の将来にとって大きな影響をもたらすことから、人口戦略会議の分析では若年女性の減少率が大きいと「消滅可能性自治体」に区分されています。

(表3)若年女性人口の推計(人)

・平成22年(2010)の総人口および令和5年社人研推計の令和2年(2020)までは、国勢調査より作成
・「平成25年推計」の平成27年(2015)以降の総人口および「令和5年推計」の令和7年(2025)以降の総人口は社人研推計より作成

○人口減少・少子高齢化が町に与える影響の一例
・人材・税収不足で行政サービスが低下
・空き家が増え治安・景観が悪くなる
・スーパーなどの店が撤退・廃業する

■町人口ビジョンを上回る減少
町の人口推移と若年女性人口の推移ともに共通しているのは、社人研の推計において、町の想定を大幅に上回る人口減少が想定されているという点です。
町は、令和元年度に「第2期洋野町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、令和6年度末で人口1万4400人の確保を目標に、雇用・交流・若者支援・地域づくりという4つの基本方針を掲げ、実行に移してきました。
しかし、現時点でこの目標の達成は現実的に不可能であり、今後も若年女性の人口減少が止まらず、ますます少子高齢化の勢いは強まるばかりです。
表4を見て分かるように、出生数が毎年のように減少しており、表5では転出超過が続いているのが分かります。
こうして事実を目の当たりにすると危機感を覚える人は少なくないのではないでしょうか。こうした現状を受け、町は新たな目標の策定と、さらなる人口減少の対策に向けて動き出しました。

(表4)町の出生数・死亡数の推移(人)

・総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態および世帯数に関する調査」より

(表5)転入者数・転出者数の推移

・出生数/死亡数は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態および世帯数に関する調査」より

■ともに考える
4月に人口減少対策係を特定政策推進室に配置したほか「洋野町人口減少対策本部」を設置し、7月に雇用や若者支援などについて話し合う専門部会を立ち上げました。
この専門部会には、町職員以外の町内在住者や町内で活躍する人にも参加してもらう仕組みとなっており、文字どおり官民一体となって持続可能なまちづくりを進めていくものです。
さらに「若年女性に特化した検討グループ」などを設置し、さまざまな意見をもとに「ヒロノのミライ」を考えていきます。

→次号へ続く

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