■3月は自殺対策強化月間です
自殺対策基本法では、例年自殺者数の最も多い3月を「自殺対策強化月間」と定め「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現に向け、相談事業や啓発活動を実施しています。市でも相談事業や啓発活動に重点的に取り組んでいます。
令和3年の全国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺死亡数)は16・5(図1)で、令和2年から2年連続の増加となっています。県や本市の自殺死亡率は減少しましたが、今後も手を緩めることなく自殺対策を推進していくことが重要です。
■自殺は誰もが起こり得る危機
自殺は、その多くが追い込まれた末の死です。自殺に追い込まれることは、誰もが起こり得る危機であり、誰もが当事者になり得る重大な問題です。自分には無関係と思わず、自身のこととして考え、危機に陥った場合には、助けを求めることが重要です。また、適切な支援やサポートにより自殺を防ぐこともできるため、周囲に悩みを抱えている人がいる際には、声をかけ、孤独・孤立を防ぐことも重要となります。
■一人一人がゲートキーパーになろう
ゲートキーパーとは「門番」という意味で、自殺の危険を示すサインに気付き、声をかけ、話を聞いて必要な支援につなげ、見守る人のことです。資格は不要で、誰でもゲートキーパーになることができます。周りで悩んでいる人がいたら、優しく声をかけてあげてください。悩んでいる人に寄り添い、話を丁寧に聞くことは、悩んでいる人にとって大きな心の支えになります。
■ゲートキーパーの心得
・自ら相手と関わるための心の準備をしましょう
・温かみのある対応をしましょう
・真剣に聞いているという姿勢を相手に伝えましょう
・相手の話を否定せず、しっかりと聴きましょう
・相手のこれまでの苦労をねぎらいましょう
・心配していることを伝えましょう
・わかりやすく、ゆっくりと話をしましょう
・一緒に考えることが支援です
・準備やスキルアップも大切です
・自分が相談に乗って困ったときのつなぎ先(相談窓口など)を知っておきましょう
・ゲートキーパー自身の健康管理、悩み相談も大切です
※参考…ゲートキーパー手帳(厚生労働省)
■気付く 家族や仲間の変化に気付いて声をかける
悩みや不安を抱え、苦しんでいる人は、誰にも相談できずに孤立することで自殺へと傾いていきます。眠れない、食欲がない、口数が少なくなったなどいつもと違う様子はありませんか。悩みを抱えているサインかもしれません。
借金、死別体験、過重労働、配置転換、昇進、引っ越し、出産など生活の変化は悩みの大きな要因となります。一見他人には幸せそうに見えることも、本人にとっては大きな悩みになる場合があります。
▽声かけの例
・眠れている?(2週間以上続く不眠はうつのサインかも)
・悩みがある?よかったら話して。
・何か力になれることはない?
■傾聴 本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
これまで重ねてきた苦労をねぎらい、安心して話せる雰囲気をつくりましょう。もし「死にたい」と打ち明けられても相手の感情を否定せず、寄り添う姿勢で耳を傾けましょう。本人を責めたり、安易に励ましたり、相手の考えを否定することは避けましょう。
■つなぐ 早めに専門家に相談するよう促す
問題解決には、専門家の力も必要です。具体的な相談機関があることを伝え、適切な支援につなぐためのサポートをしましょう。
■見守る 温かく寄り添いながらじっくり見守る
傷付いた心が回復するには時間がかかります。うつ病の場合には再発するケースも多く、一進一退を繰り返しながら徐々に回復に向かっていきます。温かく寄り添いながら、じっくり見守りましょう。
■図1/自殺死亡率の推移(人口10万人対)
出典:人口動態統計、県保健福祉年報
■電話相談
※受付時間などは祝日・年末年始を除く場合あり
問い合わせ:健康推進課
【電話】656-6527
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