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鳥獣被害の「いま」を知る

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岩手県滝沢市

クマやイノシシなどの有害鳥獣による人的・物的被害は増加傾向にあります。実情や対策方法を知り、被害を抑えるためにできることを考えてみましょう。

市内のデントコーン畑では、毎年のようにツキノワグマによると見られる踏み荒らしの被害が発生しています。約5千平方メートルの畑の2割近くのデントコーンを踏み荒らし、食べる――。このような有害鳥獣による被害は、近年市内でも増加の傾向にあります。
令和5年度は各メディアでもクマの目撃情報、被害関連の報道を連日取り上げていたことは記憶にも新しいことです。市も例外ではなく、直近3か年の有害鳥獣の目撃数、農作物などへの被害数を比べると、令和5年度は他の2年の倍以上の件数、金額となっています(図1)。本年度6月時点での目撃数も、昨年度よりは少ないものの、令和3、4年度の同時期と比較すると多くなっています。

(図1)有害鳥獣による被害状況

また、県が報告するツキノワグマによる人身被害の件数は年々右肩上がりに増加しており、これらの有害鳥獣と人の生活域が近づいてきていることが分かります。
市の有害鳥獣による被害は、農作物などの物的被害が主なものです。令和5年度の被害総額は352万4千円にのぼります。市では、こうした被害を防ぐため、滝沢猟友会に委託し、農地のパトロールや有害鳥獣の捕獲を実施していますが、近年は猟友会員の高齢化や担い手不足が課題となっています。
被害を抑えるためには、猟友会の活動に加え、一人一人ができることを考え、実践することが大切です。

■日頃から備える
農地周辺の耕作放棄地や林の境などは、鳥獣が人に姿を見せることなく近づく絶好の隠れ場所です。定期的に刈り払いを行い、見通しの良い状態を確保することで、鳥獣を警戒させることができます。また、管理されていない果樹や収穫しきれなかった野菜などは、鳥獣にとって格好のエサとなります。不要な作物は放置しないなど鳥獣が近づかない環境を日頃から整備しましょう。
山に入るときにも注意が必要です。県内の山林はほとんどがクマの生息地です。山に入るときには、事前に出没情報などを確認しましょう。一人での行動も厳禁です。必ず複数人で行動しましょう。また、鈴やラジオなどの音の出るものを身に付けるとともに、明け方、夕方のクマが活発に行動する時間の入山は避けましょう。

■もしも遭遇してしまったら…
(1)イノシシ
イノシシと遭遇したら、慌てずゆっくりと後退しながら離れましょう。イノシシは興奮すると人に危害を加える可能性が高くなります。イノシシを見かけても、近づいたり、棒などを使って追いまわしたり、石を投げたりしてはいけません。刺激を与えず、興奮させないことが一番重要です。

(2)クマ
クマは基本的に臆病な動物ですが、人間に突然出会うと驚いて攻撃行動にでることがあります。また、子連れの場合、母グマは子グマを守るために特に攻撃的になりやすいと言われています。
クマに遭遇したら、走って逃げてはいけません。背中を見せず、目を離さずにゆっくりと後退しながら、クマとの間に木や岩を挟むようにして逃げましょう。

■マイナスからプラスへ
農林水産省では、被害防止のために有害鳥獣の捕獲を進めるだけでなく、ジビエ(食材となる野生鳥獣肉)として利用するなど地域資源化を推奨しています。
有害鳥獣による被害というマイナスの要素が、捕獲による減少に加え、地域資源としての利用により、農業の安定、新たな価値の創造といったプラスの要素に生まれ変わります。

■クマの目撃情報はこちらから
市公式アプリ「滝沢NAVI」や県が配信する「いわてモバイルメール」では、防災行政無線で放送したクマの目撃情報などの内容が確認できます。

問い合わせ:農林課
【電話】656-6539

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