「ペットは家族」の考えが広がり、犬や猫など複数の動物を飼う人が増えています。その一方で、ペットが増えすぎて飼い主も動物も不幸になってしまう「多頭飼育崩壊」が相次いでいます。そうならないために気をつけたいことは何か、考えてみませんか。
■身近にも…猫の「多頭飼育崩壊」
猫が増えすぎて、餌代などが家計を圧迫したり、ふんなどを処理しきれず家の中が不衛生になるなどして、ついには飼い主の生活が破綻してしまう「多頭飼育崩壊」。近年、市内でも相談が増えています。
▽猫はなぜ多頭飼育崩壊になりやすいの?
・繁殖能力が高い(1回に2~6匹、年に3回出産することも)
・外猫に餌やりをすることで新たな猫がやってきて定着する
・犬に比べ鳴き声などが気にならないので周囲が気づきにくい
▽多頭飼育(10匹以上)の相談件数(令和元年以降)
市保健所へ39件
このうち5件は、飼い主の生活や猫の健康状態が極めて深刻な状況に陥っていたため、保健所や動物愛護団体が多くの猫を引き取りました
■「自分の」「あの人の」飼い方大丈夫?危険度チェック
猫の数は
・1匹のみ…Aへ
・2匹以上…下へ
猫は雄?雌?
・雄または雌同士…Aへ
・混在または不明…下へ
不妊去勢手術をしている
・はい…Bへ
・いいえ…下へ
半年の間に猫の数が増えた
・いいえ…Cへ
・はい…Dへ
[A]
崩壊危険度:低
これからもペットと幸せな生活を。ただし、不妊去勢手術をしていない場合は、念のため手術を
[B]
崩壊危険度:低
今のところは大丈夫。新たに猫を飼う場合は必ず不妊去勢手術をしましょう
[C]
崩壊危険度:中~大
子猫が生まれると爆発的に増えてしまいます。早めの不妊去勢手術が必要です
[D]
崩壊危険度:大
改善に向けてすぐに行動を。すでに状況改善に向けた支援が必要な状態かもしれませんので、生活衛生課へご相談ください
■こんなときどうする?~多頭飼育崩壊を防ぐために~
Q:不妊去勢手術はかわいそう…。どうしても必要?
A:不妊去勢手術は繁殖を制限できるだけでなく、雄・雌ともに生殖器の病気のリスクがなくなる、発情に伴う問題行動(鳴き声、マーキング、けんかなど)やストレスが減るなど、飼う人にも猫にも多くのメリットが。猫はぜひ「不妊去勢手術をして室内飼い」をお願いします。
Q:雌猫1匹、完全室内飼いなら不妊手術は不要では?
A:一匹飼いの場合でも手術はしましょう。誤って外に出てしまった場合の妊娠を防ぐことができます。
~こんな事例も~
雌猫を手術せずに飼っていたら、ある日、窓の隙間から外に逃げてしまいました。帰ってはきましたが、しばらくして子猫が5匹も生まれてびっくり。今、もらってくれる人を必死に探しています。
Q:何匹まで飼っていいの?ルールはある?
A:特にルールはありませんが、万が一災害があって避難が必要となったとき、一緒に避難できる数が一つの目安です。また、衛生的な空間を維持し、人も猫も快適に暮らせるのは何匹までか、それぞれのお家で考えてみましょう。
Q:猫の複数飼いをするときに、気をつけたいことは?
A:猫はとてもきれい好きな動物です。トイレは猫の数プラス1台(2匹なら3台)用意し、常に清潔に保ちましょう。また、猫同士でも遊びますが、猫じゃらしなどのおもちゃを使った飼い主との遊びも大好きなので、積極的に遊んでストレス発散を。
問合せ:生活衛生課
【電話】603-8312
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