■「オールやすぎ」による安心・安全で夢の持てる市政を推進
市議会3月定例会議で田中市長が表明した、令和6年度の市政運営の基本的な考え方と主要施策について抜粋し紹介します。
◆市政運営の考え方
私はこれまでの3年間、「過去に学び」「現状を捉え」「未来につなげる」という市政運営を掲げ、市民の皆さんや職員との意見交換、民間事業者との連携を大切にしながら、財政の健全化を進めるとともに、長らく停滞しておりました公共施設マネジメント、スマートインターチェンジ、空き家対策、小中学校適正配置など、多くの課題に取り組み、着実に前に進めてきました。
令和6年度は、進めてきた改革を止めることなく、議員をはじめとする市民の皆さん、民間企業や学校などの各種団体と協働で取り組み、「オールやすぎ」による、安心・安全で夢の持てる市政づくりを推進し、次の世代につなげるまちづくりを目指します。
引き続き安来市が抱える課題に取り組み、市政の発展と市民福祉の向上をさらに推し進めるために、行政のトップとして、スピード感を持って決断、実行し、全身全霊で市政運営に取り組みます。
◆目の前にある課題への対応
▽人口対策
安来市の人口戦略である「第2期安来市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を改訂し、令和6年度からは、人口の自然増、社会増を図る取り組みを強化するとともに、住民の皆さんが安心して便利で豊かな暮らしが営めるよう、デジタルの力を活用した新たな事業も展開しながら、人口減少対策に取り組みます。
(自然増を図る取り組み)
子ども医療費の助成については、医療費の無料対象となる年齢の上限を、令和7年度より、現在の中学3年生から高校3年生に引き上げることとし、令和6年度は医師会等関係機関との調整やシステム改修等の準備を行います。
地元産の金芽米を妊婦に出産するまで無償提供していたマタニティ応援プロジェクトを令和6年度は、出産した子どもが1歳になるまで提供します。
また、令和6年度から、市内の保育施設で提供する給食の米を金芽米に切り替え、無償でご飯を提供し、子どもの健やかな成長を支援するとともに、保護者負担の軽減を図ります。この取り組みは、妊娠、出産期から幼児期、小学校、中学校3年生まで、全ての子ども達に地元産の金芽米を提供する全国初の試みとなります。
(社会増を図る取り組み)
ソフト産業誘致を推進するため、空き物件などを活用した民間によるサテライトオフィス整備と企業誘致の取り組みを一体的に進めます。あわせて、安来市学習訓練センターの一部を企業に貸事務所として提供し、施設の有効活用と企業誘致の促進を進め、雇用の創出と産業の振興を図ります。
(利便性向上を図る取り組み)
令和6年1月から、マルチタスク車両「ぐるっとYasugi号」を交流センターや自治会集会所等に派遣し、各種行政サービスの提供をしています。令和6年度は、高齢者施設・福祉施設等への出張マイナンバーカード交付申請など新たなサービスを行うとともに、期日前投票での活用も検討します。
AIチャットボットは、毎月約1000件の利用があり、特にゴミの分別やイエローバスに関する問い合わせが多く寄せられている状況です。今後も随時、FAQ(対応できる質問)を追加、更新し、利用者の満足率の向上を図ります。
▽切川バイパス周辺開発
仮称安来スマートインターチェンジについては、その必要が認められ、昨年9月に「国による準備段階調査箇所」へ選定されました。現在は、関係機関と協力しながら、概略設計などの検討を進めているところです。今後、早期に地区協議会が開催され具体的な検討が出来るよう、関係機関や市内組織と検討を進めます。
株式会社出雲村田製作所の安来市内への工場立地計画が明らかになり、島根県とともに立地実現に向けて協議を進めています。この計画が実現すれば、市だけではなく、島根県、中海圏域においても、雇用の創出、定住の促進、地域活性化に大きく寄与するものであり、引き続き、島根県と連携し、工場立地の実現に向けて取り組みます。
▽公共施設マネジメント
住民活動の拠点となる広瀬交流センターと図書室を備えた新たな複合施設の整備について、令和6年度は、令和5年度に策定した「広瀬複合施設整備基本計画」に基づき、広瀬庁舎敷地を建設地として位置づけ、敷地の測量調査と埋蔵文化財の試掘調査を行います。また、広瀬地域センターは行政機関が集約するエリアへ配置することとし、移転先とスケジュールを検討します。
養護老人ホーム鴨来荘は、特別養護老人ホームしらさぎ苑の駐車場跡地に移転整備を進めており、令和6年度には各種申請手続と工事着手の予定です。令和8年4月の施設運営開始を目指します。
比田防災拠点施設整備事業は、令和5年度に建築と造成の設計を行っており、令和6年度は比田分駐所、比田分団拠点施設の新築工事とヘリポート部分も含めた造成工事、比田小学校のスクールバスの車庫建築工事を行います。あわせて、令和7年度に現在の比田分駐所を解体するため、解体設計委託をします。
◆令和6年度の主な施策
▽保険・医療・福祉
・フレイル予防については、ICTや民間サービス等を活用した持続可能な事業を実施します。
・対象者の属性を問わない相談支援、多様な参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する重層的支援体制整備事業について、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、令和6年度と令和7年度で準備を進めます。
・安来市南部の中山間地域における訪問介護サービスについて、市街地からのサービス提供には、距離的な問題などにより経費や移動による介護従事者の負担が大きいことから、中山間地域の訪問介護事業所の開設や経営安定までの初期費用を支援し、在宅介護サービスの提供体制の強化を図ります。
・高齢者支援として、認知症患者やそのご家族を支える地域づくりを引き続き行うとともに、認知症予防施策の一つとして、令和6年度から補聴器を購入する際の費用の一部を助成する事業を実施します。
・子どもの居場所づくりのため、子ども食堂の開設など、地域コミュニティの創出に取り組む団体などに開設に係る対象経費を支援し、地域社会の発展と子どもたちの健やかな成長を図ります。
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