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シリーズ人権を考える 61

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島根県安来市

人権尊重社会の実現をめざして

■ハンセン病をご存じですか~偏見・差別をなくすため正しく理解しましょう~
「令和5年度安来市人権に関する市民意識調査」で、人権上問題だと思うことが「わからない」という回答割合が高かったのがハンセン病についてでした。その背景には、ハンセン病への理解が十分に進んでいないことが考えられます。
ハンセン病は、「らい菌」の感染で発症し、手足などの抹消神経が麻痺して皮膚感覚がなくなり、皮膚に変化が起こる病気です。感染力は極めて弱く、現在、日本での発病者は年間0~1人で、治療薬で完治できる病気です。
しかし日本では、平成8年に「らい予防法」が廃止されるまでの約90年間、患者の強制隔離政策によって、療養所を一生退所できず、劣悪な環境での生活と重労働が強制されました。
らい予防法違憲国家賠償請求訴訟(平成13年)、ハンセン病家族国家賠償請求訴訟(令和元年)など、相次いで国の責任を認める判決が下されましたが、法律上の解決後も、病気への偏見・差別は残り、元患者の社会復帰が困難なままです。多くの人が差別を恐れ、本名も故郷も家族も捨てて生きる選択をせざるを得ず、今も療養所で過ごしています。元患者とその家族は、今もなお苦しみ続けているのです。
いかなる病気でも、それを理由に人権が奪われてはなりません。同じ過ちを二度と繰り返さないために、一人一人が正しい知識を身につけ、真剣に考えていくことが何よりも大切です。

▽「令和5年度安来市人権に関する市民意識調査」
「ハンセン病回復者の人権について、特にどのようなことが問題だと思うか」から一部抜粋(複数回答あり)
・学校や地域におけるハンセン病とそれに関わる問題について教育・啓発活動が不十分であること 44.4%
・ハンセン病回復者に対する偏見・差別が残っていること 32.9%
・ハンセン病回復者の社会復帰に関する行政などの支援が不充分であること 20.6%
・特に問題はない 10.0%
・わからない 27.3%

問合せ:人権施策推進課
【電話】23-3095

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