秋の味覚 西条柿~生柿とあんぽ柿~
「秋の果物といえば何がありますか?」と聞かれたら、多くの人が「柿」を挙げるのではないでしょうか。
本市では「西条柿」が多く生産されており、この柿は中国地方を中心に栽培されている渋柿の一種です。長年、地域で親しまれている西条柿は、毛利氏と尼子氏が中国地方の覇権争いをした戦国時代に、戦場での携帯食として珍重され、毛利氏が山陰を治めた頃に広く植えられたといわれています。市内には樹齢200年を超える古木が点在しており、推定樹齢500年の全国最大級の古木も見られます。実の形は縦に長く、側面に4本の溝があるのが特徴で、10月上旬から収穫が始まります。
西条柿は、そのままではとても渋くて食べられません。渋抜きの方法はいろいろありますが、ドライアイスを使った渋抜きが一般的です。「昔は、お風呂の残り湯に柿をつけて渋を抜いたものだよ」といったお話もあります。
渋を抜いた生柿は、果汁が多く、なめらかな食感です。軟化しやすいので、渋抜き後、常温なら2~3日で柔らかくなってしまいますが、渋を抜いた直後は、適度に歯ごたえがあり、爽やかな甘みを、また、少し柔らかくなってからは、とろりとした濃厚な甘みを楽しめます。柔らかくなりすぎてしまったら、ラップなどで包んで、冷凍してシャーベットのようにして食べてもおいしいです。
市内では西条柿を使った「あんぽ柿」も作られています。あんぽ柿は、柿の皮を剥いで水分が30%程度になるまで乾燥させたもので、干し柿の一種です。水分が多く、瑞々しさを感じるゼリー状の柔らかな口当たりと鮮やかなオレンジ色の果肉が特徴です。そして、西条柿の干し柿ならではの、濃縮した甘みは格別です。
生柿は概ね10~11月に販売されます。また、あんぽ柿は11月中旬から販売が開始されます。
秋が深まる今の季節、里山の紅葉や夕日を眺めながら、西条柿を味わいませんか。
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