■第508回西ノ島町議会 12月定例会一般質問(要約)
◆小島 正春 議員
◇シャーラ船の格納庫について
シャーラ船は、杉材と稲わらで造っていたが、人口減少・少子高齢化により、今までのように造るのが困難であるとの理由で、船越・市部・波止の3地区が、今年からプラスチックの船体に変更した。
3地区の船体は、地区の予算で艤装を依頼しており、格納庫を建設するとなると、さらに地区の負担も増えることが予想される。
地区ごとに予算規模や事情も異なると思うが、伝統行事を維持していく上で毎年船体が良好な状態で使用できるよう、格納庫建設に対し町として支援すべきと考えるが町長の見解を伺う。
[回答 町長]
本町には数多くの文化財が存在し、これらは長い歴史の中で地域の人々の手で育まれ、今日の世代に守り伝えられてきた貴重な財産であり、所有者や継承者と連携を図りながら維持、保存に努めている。
シャーラ船は、明治中期以降から現在のような大きな華麗な船を流すようになったと言われており、美田地区、浦郷地区の盆行事として、国選択無形民俗文化財に指定されている。
盆送り行事と言えば、全国的に京都五山の送り火や長崎の精霊流しなど各地で行われる中にあって、西ノ島のシャーラ船は「地区を上げて大型の船を共同で制作し、祖先の霊を送る風習であり、その習慣は我が国の年中行事を理解する上で貴重である」との理由で指定を受けたものである。
質問にもあったように、船体そのものが文化財として指定されている訳ではなく、一連の行事が無形民俗文化財に指定されている。
これまでもシャーラ船行事に対し材料である稲わらの調達について支援を行うとともに、船体の解体撤去に係る費用を助成している。
時代の移り変わりとともに、様々な事情が生じてくると思うが、地域の皆様が、この過渡期とも思われる状況の中でシャーラ船流しと言う風習そのものをどのように未来に引き継いでいかれるか、各地区の皆様にも様々な考えがあると思われる。
町としては、町民の精神に根付く貴重な文化財の保存・継承を支援する立場であるので、今後の展望をよく聞いた上で、対応を検討して行きたいと考えている。
◆吉田 歳造 議員
◇西ノ島ハーフマラソンの今後の方向性について
西ノ島町総合振興計画の基本構想である﹁人の集う島へ﹂を念頭におき、その実現には、町民一人ひとりが、つながり、助け合いながら、安心安全に暮らせるよう取り組みを続けることが重要だと考えている。
町内にある、多くの伝統行事やイベントも町民一人ひとりをつなぎ、協力しあって、安心安全な暮らしを築く重要な取り組みと考えている。
そこで、参加者を更に拡大し、多くの町民一人ひとりがつながり、協力しあえば、西ノ島の素晴らしさがPRでき「人の集う島へ」と進むことができるのではないか。
町民の方々の理解と協力を得、みんなが一体となった西ノ島ハーフマラソンになるよう期待する。
そこで、次の2点について伺う。
[質問(1)]
来年度以降の参加者募集は、人数制限を緩め、参加者拡大の方向か町長の見解を伺う。
[回答 町長]
西ノ島ハーフマラソンは、コロナ禍による2年間の休止を経て、昨年度から再開したが、昨年度と今年度の大会は、新型コロナの感染状況を考慮して、島外募集枠を従来の半分程度に縮小しての開催となった。
開催に当たり、参加者や関係者に感染防止の協力をいただき、幸いなことに大会後の感染拡大と言った状況はなかった。
現在、新型コロナ感染症が5類へ移行してから半年以上が経過し、住民生活も徐々に日常を取り戻しつつあると推察している。
こうした状況を踏まえ、先般開催したハーフマラソン実行委員会では、来年度の大会の島外募集枠をコロナ禍前の350人とすることが決定されたので、島外枠の拡大に向けて、宿泊施設の確保や大会のPR等、受入準備を逐次進めて行きたい。
[質問(2)]
大会を更に盛り上げるためには、地元の参加者を増やすことが重要であると思うが町長の見解を伺う。
[回答 町長]
この大会は、島外ランナーの皆様に楽しんでいただくだけでなく、町民の皆様にとってもランナーやスタッフ、応援団としてスポーツの魅力に触れ、みんなが交流できることが大きな魅力となっている。
今回の大会でも、地元ランナーや子供たちが元気に走る姿に、大きな拍手と声援が送られた。
来年度も、町内からの参加枠には上限を設けずに、多くの皆様の参加を募り、大会をさらに盛り上げていただきたいと願っている。
なお、町内向けの募集については、広報無線や西ノ島チャンネルで周知するとともに、小中学校にも児童生徒の参加を呼び掛ける。
来年度の大会は第10回目を迎えるので、議会においても、大会の成功に向けて、ご協力をお願いしたい。
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