◆第9回 沿岸藻場の資源管理に必要な活動
西ノ島沿岸では大型褐藻類(コンブやホンダワラ類の仲間)が潮間帯から水深20m以深に広く分布し、大規模な藻場の形成を見ることができます。漁場を形成すると共に魚介類の増殖場やCO2を吸収・貯留するための重要な場となります。
西ノ島を含む隠岐諸島沿岸には豊かな藻場が広域に分布していますが、日本各地の沿岸では魚類やウニ・ガンガゼによる食害によって海藻が減少する“磯焼け”や温暖化で海藻の種類が変わってしまったりしています。隠岐諸島沿岸にも影響が見られる海域があり、注視する必要があります。そのためには定期的なモニタリングを行って藻場の海藻を監視することが重要です。
隠岐諸島では漁業者によってワカメ・アラメ・ツルアラメ・アカモク・ホンダワラが採藻されていますが、持続的利用のための採取量と残存量の関係を理解する必要があり、記録をしていくことが重要です。種類によっては藻体の刈り取る位置や残す部位にも注意が必要になります。再生可能な状態を保持し、持続的な生育が可能な状態を維持出来るような利用方法の情報共有をするための勉強会を行う等の活動が必要です。
執筆:岡部株式会社 応用藻類学研究所 林 裕一
問い合わせ:西ノ島町役場 産業振興課
【電話】08514-6-1220
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