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エーロさんに聞いてみよう フィンランドのよもやま話

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島根県邑南町

Eerolla on asiaa
フィンランド出身国際交流員による、フィンランドや邑南町の話

■第8回 ムーミン谷に春が来る
▽フィンランドでの春の訪れ
ムーミンのテレビシリーズをよく見た方々にとっては、すでにご存知かもしれませんが、冬の旅に出かけたスナフキンがムーミン谷に戻るのは春の訪れの頃です。この「春の初日」とも呼ばれる日は、実際にはいつ頃でしょうか。
▽日本より少し遅めの春
フィンランドでは春先が、日本と比べて遅いです。雪が降ったり、マイナス気温が続いたりする寒い3月の後、明るい4月に入ります。フィンランドの4月は気温が10℃を超える日々がまだ少ないです。しかし、たまに15~18℃という、フィンランド人にとって暖かい日々もあるので、平均的に春の初日は4月だと言われています。
また、木々が芽を出し始めるのは地域によって4月から5月の変わり目です。日照時間は長く、木の芽が速く葉っぱに変わります。木の葉が浅緑色の5月はとても彩りが綺麗な季節で、フィンランド人にとって近づく夏の兆しです。暖かい日々もある5月は恐らくスナフキンが戻る頃でしょう。
▽フィンランド人も春が好き
長い冬眠から起きて春に入ることが好きな人はたくさんいます。最近の調査で、春が一番好きな季節だと答えた人は2割以上でした(一番好きなのは夏だと答えた人は56%でした)。特にスキーをする人は春の光り輝く雪と真冬より暖かい季節を好んでいます。
しかし、小中学校と高校は夏休みに入るのが6月に入ってからなので、学校の教師は4、5月が一番忙しい季節だと言っている人もいます。この頃、白樺とハンノキなどの花粉症に悩んでいる人もいます。
▽春の雪は珍しくない⁉
今年、邑南町で春分の日に雪が降ったことは、フィンランドでも似たような現象があります。4月の後半、雪がほとんど溶けた南フィンランドは、日中の平均気温がまだ10℃以下です。
夜が氷点下になれば、昼に雪が降る場合があります。「後ろ冬」とも呼ばれているこの不思議な現象は、ほぼ毎年4月に起きていますが、5月にも起きる可能性があります。ただ、5月に入ってから雪が積もることは滅多にありません。
5月から都会の公立公園で日光浴をしている市民の姿も見かけられます。まだ少し寒いですが、長い冬季の後、日差しを吸収して色が淡くなった肌に光をさらすのは多くの人にとって気持ちがいいことです。
▽春恒例のお祭り「ヴァップ」
また、祝日である5月1日は「ヴァップ」という労働者の祭りを祝います。外に出て家族か友人とピクニックをする人がたくさんいます。
ヴァップで有名な物は「シマ」で、イースト、砂糖とレーズンでできた飲み物です。シマと一緒に食べるのはポテトサラダ、ウインナーと「ムンッキ」という丸い、ラズベリージャムが入っているドーナツです。シマと違ってムンッキはヴァップ限定の物ではなく、いつでも食べられます。

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