文字サイズ
自治体の皆さまへ

雲南病院だより

11/44

島根県雲南市

■腹腔鏡手術について〜体に負担の少ない手術で早期社会復帰を〜
外科 医員 川上 晃樹(かわかみこうき)

◯腹腔鏡手術とは?
従来のお腹の手術といえばお腹を大きく開ける「開腹手術」が一般的でしたが、近年体に負担の少ない手術の一つとして「腹腔鏡手術」が広く行われており、当院でも胆石症、鼠径(そけい)ヘルニアなどの良性疾患から胃がん、大腸がんなどの悪性疾患に対してもほぼ全例で実施しています。腹腔鏡手術は、お腹を5mmから12mm程度に小さく切開し(手術の種類によって3から5ヵ所)、手術を行う器具を挿入するための筒(ポート)を挿入します。お腹を炭酸ガス(CO2)で膨らませて、ポートから挿入したカメラでお腹の中の状態をモニターに映し出します。術者はモニターを見ながら、他のポートから挿入した手術器具により手術を行います。最後に切除した臓器をポートの傷から摘出し終了します。

◎腹腔鏡手術と開腹手術
※詳細は広報紙16ページのイラストをご覧ください。

◯安全な手術、早期社会復帰を可能に
腹腔鏡手術には多くのメリットがあります。炭酸ガスでお腹を膨らませることにより空気圧で出血が抑えられるため、出血量が少なく手術を行うことができます。さらにカメラを臓器に近付けてモニターで見る拡大視効果により、繊細で安全な手術が可能となります。小さな傷跡で術後の痛みも少なく、開腹手術よりも早期に退院、社会復帰が可能です。傷もほとんど目立たなくなり、美容の点においても優れています。

◎イラストは胃がん手術の際の様子
※詳細は広報紙16ページのイラストをご覧ください。

◯まとめ
高齢な方では、手術によって体力が落ちて、生活環境が一変することも少なくありません。特に傷の大きい開腹手術ではその傾向は明らかです。腹腔鏡手術は、若い方はもちろん、高齢な方が比較的多い雲南圏域でこそ必要な体に負担の少ない治療と考えており、今後も積極的に取り組んでいきます。分からないことがあれば気軽に相談してください。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU