■第42回:「人生を楽しむことの重要性:認知症予防への一歩」
このシリーズでは総合診療医が患者さんからいただいた質問をもとに市民の皆さんが困っている症状や疑問について解説します。
先日いただいた質問はこれです。
「趣味を持っていると、健康にいいことはありますか」
私たちの日常生活において、楽しみを見つけることはただの娯楽ではなく、心身の健康維持にも非常に重要です。
最近の研究が示すところによれば、
「人生を楽しんでいると感じる人々は、約10年間で認知症のリスクを約25%減少させる可能性がある」
とされています。この研究は、日本の文化的、社会的背景を考慮に入れたものであり、特に日本人の健康と福祉にとって非常に重要な示唆を含んでいます。
日々の生活の中で楽しみを見つけることは、心の健康を保つだけでなく、認知機能の維持にも役立つことが分かっています。趣味、運動、社交活動、または単に自然を楽しむことなど、楽しみは人それぞれです。
大切なのは、自分にとって意味のある活動に積極的に参加し、日々の生活に活力をもたらすことです。趣味やクラブ活動への参加、地域社会でのボランティア活動、友人や家族との交流など、社会的なつながりを持つことで、認知機能の低下を遅らせることができます。また、新しいことを学ぶことや創造的な活動に取り組むことも、脳の活性化に役立ちます。
年齢に関わらず、日々の生活で小さな楽しみを見つけ、積極的に取り組むことが重要です。散歩、読書、料理、ガーデニング、写真撮影、音楽鑑賞など、さまざまな活動があります。重要なのは、それぞれの興味や能力に合った活動を見つけ、それに時間を割くことです。
寒い季節になりましたが、身体を大事にしながら、日々の小さな趣味を楽しんでいきたいですね。
◎趣味の継続は認知症のリスクを25%低下させる。
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